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"喫煙は美肌の敵"を科学的に証明―岐阜大

 2013年02月15日 15:39

 喫煙は美肌の敵といわれるが、その科学的根拠を示す研究成果が日本から報告された。岐阜大学大学院医学系研究科の永田知里教授(疫学・予防医学分野)らが日本人女性を対象に調べたところ、喫煙したことがない人や元喫煙者に比べ、喫煙者ではメラニン色素などの量が多いことなどが分かったという。詳細は、1月26日発行の英医学誌「Tobacco Control」(電子版)に掲載されている。小社の取材に対し、永田教授らは「(女性たちが)喫煙をやめるきっかけになることを期待する」とのコメントを寄せた。

喫煙量増えるとメラニン量も増加

 永田教授らは、2003年10月~06年3月に岐阜県の総合病院で健康診断を受けた女性の中から、20~74歳(平均年齢43.8歳)の939人を抽出。健診当日にアンケートで喫煙状況などを聞いたほか、「メグザメーター」という測定器を使って、腕2カ所と額1カ所のメラニンと紅斑(皮膚表面が赤くなること)の量を測った。皮膚がんや関節リウマチの患者などは除外している。

 対象者の喫煙率は6.5%(61人)、喫煙経験率は3.7%(35人)。なお、健診当日までの喫煙量が累積20箱以上で、健診当日も喫煙を継続していた場合を喫煙者、継続していなかった場合を喫煙経験者とし、20箱未満は全て非喫煙者とした。

 その結果、メラニン量は測定した3カ所全てで、非喫煙者と喫煙経験者に比べて喫煙者で高いことが分かった。1日当たりの喫煙本数、喫煙年数、喫煙指数(pack-years=1日に何箱のたばこを何年間吸い続けたか)とも関連し、喫煙量が増えるとメラニン量も増えていた。紅斑量は腕2カ所でのみ喫煙者が高く、こちらも喫煙量と関連していることが分かった。これらの結果は、日焼け止めやビタミンC、ビタミンD、野菜類、脂肪の摂取の影響を排除しても変わらなかったという。

 また、非喫煙者と比べ、喫煙者と喫煙経験者のメラニン量が多くなるリスクは測定箇所によって1.5~2.2倍と、喫煙者で皮膚が黒くなる度合いも高いことが分かった。

女性の喫煙減らす原動力となるか

 喫煙の害を指摘する研究が多数報告され、増税などの対策が講じられる一方、2011年の「国民健康・栄養調査」によると、日本人の喫煙率は横ばいで、女性では微増していた(関連記事)。

 こうした状況の中で報告された今回の研究により、肌の状態を気にする女性の喫煙者が減るかもしれない。永田教授らは「女性にとって非常に関心の高い肌の美容と喫煙が関連しているという結果には、価値があると考えられます。最大の健康リスクである喫煙をやめるきっかけになることを期待します」とのコメントを寄せている。

(編集部)

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