リレンザ死亡例で副作用情報を追加―厚労省
2013年03月01日 09:30
厚生労働省は2月27日、抗インフルエンザウイルス薬の「リレンザ」を吸入した患者3人がアレルギー性ショックを起こし、うち1人が死亡していた発表、重大な副作用として「ショック」「血圧低下、呼吸困難、咽頭・喉頭浮腫等」に関する情報を追加した。また、抗生物質の「ジョサマイシン」「ジョサマイ」、抗がん薬の「スーテント」、漢方薬の「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」(医療用)の副作用に関する情報も追加している。
ぜんそく患者は要注意
リレンザは、最初に発売された飲み薬「タミフル」と違って吸入する薬。使用者は年間で約170万人と推計されている。厚労省によると、2009年4月~2012年11月にアレルギー性ショック関連症例の報告が3件発生し、うち1人が死亡。死亡例は持病で気管支ぜんそくを持っていたほか、感染性胃腸炎による嘔吐(おうと)を繰り返していた30歳代女性。家族がインフルエンザB型にかかったため、予防としてリレンザを使った。吸入から数分後に呼吸が苦しくなり、脈が触れなかったり、手足が硬直したりし、治療が施されたものの死亡したという。
今回の添付文書改訂では、重大な副作用としてショックおよび「血圧低下、呼吸困難、咽頭・喉頭浮腫等」に関する情報が追加された。
なお、これまでもリレンザを使う際の注意点として、
- くつろいだ状態で吸入する
- 強く吸入しない
- 長く息を止めない
- ショック症状などが出たら横になって安静にする
- 気管支ぜんそくなどの慢性呼吸器疾患がある場合、気管支攣縮(けいれん)が起こる可能性がある
―などが挙げられている(詳細はリレンザ添付文書参照)。また、リレンザに含まれる乳タンパクや乳糖成分に過敏症の人は使用してはいけないとの情報もある。
このほか、マイコプラズマ肺炎などを治療するジョサマイシン、ジョサマイはショック、アナフィラキシー、スティーブンス・ジョンソン症候群(皮膚粘膜眼症候群)、転移性腎細胞がんなどに使われているスーテントはスティーブンス・ジョンソン症候群、多型紅斑、排尿痛などに処方される漢方薬の竜胆瀉肝湯は間質性肺炎が、それぞれ重大な副作用として追加された。
(編集部)