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赤、黄、緑...おしっこの色で分かる体の不調

 2013年04月04日 12:30

 「おしっこは健康のバロメーター」といわれるように、尿が病気の徴候を告げていることもある。尿の状態の中でも、一般の人がひと目で判断できるのが色だろう。赤、黄、緑...さまざまな尿の色でどんな体の不調が分かるのか。中山寺いまいクリニック(兵庫県)の今井圓裕院長に、尿の色と病気の関係について解説してもらった。

濃い黄色は脱水のサインのことも

透明

 コーヒーやビールなど、利尿作用のある飲み物を飲むと、尿中の水分量が増え、尿の色素であるウロビリノーゲンを薄めるため、透明に近い色になる。この場合、異常ではないので心配は不要。

黄色~褐色

 肉食、運動、疲労、不眠、飲酒などにより尿中のウロビリノーゲンが増加し、黄色みが強くなることがある。また、ビタミンB2は黄色なので、ビタミンB2を多く含む食事(緑黄色野菜、レバー、キャビアなど)を取ると、緑色に近い黄色の尿が出ることがある。汗を多くかいた後も濃い黄色になることがある。これらに心当たりがなく、濃い黄色の尿が出る場合、脱水のサインである可能性もある。この場合は、水分を多く取ることが必要だ。

茶褐色

 尿が毎回、茶褐色の場合、大量のビリルビンが尿中に排泄されている可能性がある。通常、ビリルビンは、ほとんど尿中に排泄されないが、肝障害や胆道の閉塞などにより胆汁の流れが妨げられると、血液中に増え、尿として排泄されてしまう。

薬などで緑色に

赤色

 赤い尿は血が混じっていることを示す。膀胱(ぼうこう)がんの場合、無症状にもかかわらず血尿が出ることがある。なお、尿路感染症、尿路結石、膀胱出血の場合、鮮やかな赤色を示すが、腎臓内で起こる出血の場合、比較的暗い赤色を示す。

緑色

 麻酔薬や漢方薬、一部の消化性潰瘍治療薬には緑色の色素を含むものがあり、服薬すると緑色の尿が出る場合がある。また、緑膿菌による膀胱炎にかかると、緑膿菌が産生する緑色の色素により青緑色の尿が出ることがある。閉塞性黄疸(おうだん)になるとビリルビンという色素が尿中に排泄され、尿の中でビリルビンがビリベルジンに変化し、緑色になることもある。

 今井院長は「尿の色に何も異常がなく、体の不調も感じない人でも、気付かないうちに腎機能が低下し、検査で初めて透析導入直前の段階にまで慢性腎臓病(CKD)が進んでいたことが分かる例もあります。健康な人でも必ず年に1度は病院で検査を」と話している。

(宮下 直紀)

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