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ビタミンD不足で死亡リスク1.7倍に―独研究

 2013年04月30日 19:30

 免疫を調整する働きを持つビタミンD。不足することで脳卒中やがん、糖尿病、骨折など、さまざまな病気になるリスクが高まると指摘されている。こうした中、ドイツがん研究センターのBen Schöttker氏らは、ビタミンD不足によって死亡リスクが1.7倍になると、米医学誌「American Journal of Clinical Nutrition」4月号(2013; 97: 782-793)に発表した。特に、肺炎など呼吸器疾患による死亡は2.5倍に上昇するという。(関連記事

心血管疾患死やがん死も1.4倍

 Schöttker氏らは、ドイツの高齢者を対象とした研究の参加者(登録時の年齢50~74歳)について、登録時(9,578人)と5年後(5,469人)に血液(血清)中のビタミンD(25ヒドロキシビタミンD=カルシフェジオール)を測定し、中央値で9.5年間追跡した。

 期間中に1,083人が死亡。内訳は、心臓病や動脈瘤(りゅう)などの心血管疾患による死亡が350人、がんによる死亡が433人、呼吸器疾患による死亡が55人だった。

 ビタミンD濃度が十分なグループ(血清1ミリリットル当たり20ナノグラム超)、不十分なグループ(同12~20ナノグラム)、欠乏症のグループ(同12ナノグラム未満)に分けて検討したところ、十分なグループと比べた死亡リスクは、不十分グループで1.17倍、欠乏症グループで1.71倍に上昇していた。

 また、欠乏症グループでは心血管疾患死が1.39倍、がん死が1.42倍、呼吸器疾患死が2.50倍と高かった。

 なお、米国内分泌学会の基準では、ビタミンD(25ヒドロキシビタミンD)の推奨濃度を30ナノグラム以上とし、20ナノグラム以下を「ビタミンD欠乏症」としている。この基準を今回のグループ分けに当てはめると、"不十分なグループ"も欠乏症に分類されるだけでなく、"十分なグループ"でも推奨濃度に達していないケースが考えられる。30ナノグラム以上の"真の十分なグループ"と、20ナノグラム以下の"真の欠乏症グループ"との比較が求められる。

(編集部)

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