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赤ちゃんの難聴に注意、聴覚スクリーニング受けて

 2013年06月21日 11:37

 国内では、赤ちゃんのおよそ1,000人に1~2人が生まれつき両耳の聞こえが悪い状態で生まれてくるといわれる。耳が聞こえないと言葉を覚えることができなくなるため、生後できるだけ早く検査をして難聴を見つける必要がある。千葉県立保健医療大学健康科学部栄養学科の工藤典代教授(耳鼻咽喉科)は、先天性難聴を発見するため生後2~4日に聴覚スクリーニングを受けるよう勧めている。

眠っている間に検査

 現在、国内の産婦人科の多くが、赤ちゃんが生まれて2~4日後に聞こえを調べる新生児聴覚スクリーニングを希望者に行っている。赤ちゃんが眠っている間にできる比較的簡単な検査で、新生児の約70%が受けているという。検査の結果、精密検査が必要であれば、専門の医療機関でさらに詳しい検査をして難聴の有無を調べる。

 工藤教授によると、0歳児で先天性難聴が発見されたうちのほぼ半数は、新生児聴覚スクリーニングがきっかけ。しかし、「スクリーニング検査をパスしても、その後、髄膜炎や麻疹(はしか)など、感染症の後遺症で難聴になることもあるので注意が必要です」という。

 また、家族に難聴者がいる場合や、妊娠中に風疹やサイトメガロウイルス感染症などにかかるなどしても、胎児が難聴になる可能性が高くなるようだ。

音への反応も観察を

 実際、乳幼児の難聴に親は気付きにくく、発見が遅れがちになることがある。新生児聴覚スクリーニングを受けなかった場合、次に難聴が見つかる機会は、母子保健法で定められた1歳6カ月健診と3歳児健診の2回だ。

 子供は1歳6カ月ぐらいになると言葉を話し始める。工藤教授によると、3歳ぐらいになっても難聴があると言葉を覚えるのが難しくなる。3歳児健診は、難聴を見つけるための最後の機会といってもよい。

 だから、日頃から音に対する子供の反応をよく観察することが大切だ。子供が大きな音に驚いたり、音がする方向を向いたりすればほぼ心配ない。しかし、名前を呼んでも振り向かないことなどがあったら、難聴の可能性もあるので受診した方がよい。

 工藤教授は「聴力の精密検査ができる耳鼻咽喉科で確実に診断してもらい、適切な治療や療育を受けることを勧めます」と助言している。聴覚の精密検査を行う全国の医療機関は、日本耳鼻咽喉科学会の公式サイトに載っている。

(編集部)

2012年9月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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