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風疹の感染経路、最多は「職場」―感染研のリスク評価

 2013年07月19日 10:30

 国立感染症研究所(東京都)は7月16日、今年の風疹と風疹による胎児の先天障害(先天性風疹症候群)に関するリスク評価を発表した。全体として風疹患者の報告数は減少傾向にあるものの、減少の度合いには地域差があるほか、増加傾向にある県もあると指摘。感染経路は職場が最多だったことを明らかにした。流行を止めるには20~40歳代の男性が予防接種を受けること、先天性風疹症候群を防ぐには妊娠する可能性がある女性が予防接種を受けることが重要としている。

最新の風疹(三日ばしか)発生報告数と年間推移を見る

"夏休み効果"は期待できない

 感染研は、今年の流行は2008年以降で最大規模であり、妊娠・子育て世代の患者が多いのが特徴と分析。現在では報告数が減ってきているものの、今後も風疹の流行が続き、予防接種などの対策が講じられなければ、先天性風疹症候群の増加が懸念されるとしている。なお、今年の先天性風疹症候群は6人で、すでに昨年1年間の数(5人)を上回っている。

 東京、神奈川、埼玉、千葉の4都県で全報告数の約45%を占めているほか、次いで報告数が多い京都、大阪、兵庫、和歌山などの府県で41%減少したのに対し、4都県では24%減にとどまっている。さらに、愛知、福岡、鹿児島などの15県では増加しているという。

 厚生労働省の専門家会議では、大人が中心となっている現在の流行では、流行の中心が子供だった以前とは異なり、夏休みになって学校などでの集団生活が途切れることで感染拡大が止まる、いわゆる"夏休み効果"が期待できないとの意見が出されていた。

「家族」や「学校」での感染も多い

 感染経路を示唆する報告の中で最も多かったのは「職場」。次いで「家族」、保育所や塾などを含む「学校」、院内感染などの「医療機関」だったという。

 感染研では、20~40歳代男性を中心とする風疹流行の地域拡大、感染者の発生は継続し、予防策が十分でない場合は先天性風疹症候群がさらに増えるとの見解を示している。

 先天性風疹症候群の予防には、今後妊娠する可能性のある女性が妊娠前に予防接種を受けることが最も重要であり、流行を止めるには20~40歳代の男性へのワクチン接種が重要と指摘。特に、流行している地域での緊急性が高いと分析している。

(編集部)

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