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風疹による先天障害、最多は心臓病―厚労省専門家会議

 2013年10月02日 10:30

 昨年から報告が相次いでいる妊娠中の風疹感染による胎児の先天障害(先天性風疹症候群)の具体的な症状が9月30日、厚生労働省の専門家会議で明らかになった。それによると、最も多く報告された症状は先天性心疾患(生まれつきの心臓病)の11例で、国立感染症研究所(東京都)の多屋馨子室長らは、他の症状が診断されていないことや報告されていない可能性を指摘している。

最新の風疹(三日ばしか)発生報告数と年間推移を見る

最も多いはずの難聴の報告少ない

 先天性風疹症候群では聴、先天性心疾患、白内障が「3大症状」とされ、先天性心疾患と白内障が妊娠3カ月(11週まで)に母親が風疹に感染することで発生するが、難聴は妊娠6カ月(23週まで)の感染でも発生する。そのため、難聴の発生頻度が最も高く、他の症状と合併せずに単独で見られることも多いという。また、難聴が発生すると症状が重いことが多いようだ。3大症状以外には、小眼症、血小板減少性紫斑病、脾腫(ひしゅ)、肝機能異常や小頭症、精神運動発達遅滞などが挙げられている。

 昨年から報告されている先天性風疹症候群18例の症状と症例数は次の通り(当日発表資料より)。なお、感染時期は妊娠5~17週(中央値11.5週)となっている。

3大症状
白内障・先天性心疾患・難聴の合併...1例
先天性心疾患・難聴の合併...1例
白内障のみ...1例
先天性心疾患のみ...11例
難聴のみ...4例
その他の症状(重複含む)
紫斑(7例)、小頭症(3例)、生後24時間以内に出現した黄疸(3例)、脾腫(2例)、色素性網膜症(1例)、精神発達遅滞(1例)、X線透過性の骨病変(1例)

 多屋室長は「先天性風疹症候群では難聴が最も多く見られるが、今回の流行では未診断や未報告の症例があり、全体像が正確に把握されていない可能性がある」と指摘。早期診断による療育や医療面での支援体制確立が必要とまとめた。

 今回の流行がピークを迎えた今年の春から夏に妊娠が判明した人の出産が増える今年度後半にかけて、先天性風疹症候群のさらなる増加が懸念されている。

(編集部)

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