メニューを開く 検索

トップ »  疾患・健康ニュース「あなたの健康百科」 »  近親婚で子供の先天異常リスク2.2倍、高齢出産でも1.9倍

疾患・健康ニュース「あなたの健康百科」一覧

近親婚で子供の先天異常リスク2.2倍、高齢出産でも1.9倍

 2013年10月04日 10:30

 英ブラッドフォード衛生研究所のEamonn Sheridan氏らは、近親婚の夫婦から生まれた子供は先天異常を持つリスクが2.2倍高く、35歳以上の高齢出産で生まれた子供でもリスクが1.9倍高いとの研究結果を、英医学誌「Lancet」(電子版)に発表した。

パキスタン系住民で先天異常児の割合高い

 英国ではパキスタン系の乳児の死亡率が高く、死因は先天異常のことが多い。パキスタン系住民では近親婚の割合が高く、それが先天異常の多い原因とされている。Sheridan氏らは今回、2007~11年に英ブラッドフォード王立病院で生まれた1万1,396人の乳児のうち、1つ以上の先天異常を持つ乳児386人を対象に調査した。

 その結果、親がいとこ同士など近親婚の場合、そうでない親と比べた子供の先天異常リスクは2.19倍だった。この関連は、貧困レベルによる差は認められなかった。

 さらに、白人女性の高齢出産も、出生児における先天異常の危険因子であることが分かった。34歳以下の白人女性から生まれた児と比べ、35歳以上の白人女性から生まれた子供ではリスクが1.83倍に高まっていた。

 なお、対象の乳児は先天異常率が全国平均(生児出生1万人当たり165.90人)のほぼ2倍(同305.74人)で、その割合は白人(2%)よりもパキスタン人(5%)で高かったという。

母親の教育水準高いとリスク減

 一方、教育水準の高い女性から生まれた子供では先天異常リスクが低かったという。Sheridan氏らは「母親の教育水準の高さは、民族に関係なく乳児の先天異常リスクに対して保護的に作用しているようだ」と推測している。

 共同研究者で英ブラッドフォード大学のNeil Small氏は「十分な数の近親婚カップルを組み入れ、子供のさまざまな先天異常の危険因子を検討したのは、今回の研究が初めて。近親婚や高齢出産などによるリスクは避けることが可能で、今回の結果を多くの人に知らせると同時に、妊娠・出産に関わる相談や医療に生かすべきだろう」と述べている。

(編集部)

ワンクリックアンケート

自身の研究成果、学会や論文以外で紹介されるならどんな媒体が好ましい?

トップ »  疾患・健康ニュース「あなたの健康百科」 »  近親婚で子供の先天異常リスク2.2倍、高齢出産でも1.9倍