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寝不足だとアルツハイマー病の"原因物質"増加―米研究

 2013年10月25日 10:30

 高齢化に伴って認知症が増えているが、その中でも増加しているのがアルツハイマー病だ。アルツハイマー病患者の脳内では「アミロイドβ(ベータ)」というタンパク質が多くたまっていることが分かっているが、高齢者では寝不足や睡眠の質が悪くてもアミロイドβの蓄積が見られたと、米ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生学部のAdam P. Spira氏らが、10月21日発行の米医学誌「JAMA Neurology」(電子版)に報告した。

睡眠時間や質が一段階下がるごとに0.08ポイント増加

 アルツハイマー病患者ではそうでない人に比べて、1日当たりの寝床で過ごす時間が長く、眠ったり起きたりを繰り返しているという。こうした睡眠が障害された状態は認知機能に影響することが報告されているが、実のところは分かっていない。

 Spira氏らは、平均年齢76歳の米国人70人を対象に研究を実施。睡眠の質については、(1)夜間睡眠時間(5時間未満、5~6時間未満、6~7時間未満、7時間以上)、(2)睡眠の質の低さ(非常に熟睡できる、熟睡できる、平均的、熟睡できない、全く熟睡できない)―などを自己評価してもらった。

 年齢や性別、人種、肥満度(BMI)、睡眠薬の使用などの影響を除外した結果、睡眠時間が一段階下がるとアミロイドβの蓄積が0.08ポイント増加することが分かった。また、睡眠の質が低くてもアミロイドβの蓄積が同じく0.08ポイント増加していた。

 今回の研究では、睡眠不足や睡眠の質が悪い高齢者ではアミロイドβの蓄積が増加すると結論されたが、ならば、最適な睡眠はアルツハイマー病を予防したり、その進行を遅らせたりすることができるのか。それを判断するには、今後エビデンス(根拠となる研究結果)の蓄積が必要だと、Spira氏らは指摘している。

(編集部)

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