花粉症の女性は血液がんになりやすい―米研究
2013年11月29日 10:30
米フレッドハッチンソンがん研究センターのMazyar Shadman氏らは、花粉症の女性はそうでない女性に比べ、血液がん(白血病や悪性リンパ腫)になるリスクが1.7倍高いとする研究結果を、11月22日発行の米医学誌「American Journal of Hematology」(2013; 88: 1050-1054)に報告した。男性ではリスクの上昇が見られなかったという。
全体では1.26倍
Shadman氏らは、米ワシントン州西部に住む男女(50〜70歳)36万人以上を対象として研究(VITAL)の参加者のうち、研究期間中に血液がんにかかった681人を含む6万6,212人(平均年齢61.5歳)について分析。空気中の原因物質(アレルゲン)によるアレルギーと血液がんの関係について調べた。なお、アレルギーがあるかどうかは、アンケートで確認したという。
年齢や性別、運動習慣などの影響を除外して分析した結果、空気中のアレルゲンによるアレルギーを持っている人では血液がんになるリスクが1.19倍に上がることが分かった。しかし、アレルゲン別に調べたところ、花粉症だけが血液がんリスクに関係していることが判明。年齢や性別などに加えて家族が血液がんにかかったことがあるなどの影響を除くと、花粉症の人の血液がんリスクは1.26倍だった。
血液がんの種類別では、「成熟B細胞性腫瘍」に分類されるもののうち、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫以外のがん(形質細胞腫瘍など)が多かった(1.50倍)。
男性は全ての空気中アレルギーで関連なし
さらに男女別で見ると、花粉症の女性では血液がんリスクが1.73倍で、その他の空気中のアレルゲンによるアレルギーでも1.68倍だった。しかし、男性ではいずれのアレルギーも血液がんとの関連が見られなかったという。
Shadman氏らは、男女の違いが見られた理由は分からないものの、免疫に関する病気にかかりやすいかどうかに男女の違いが関係していることを示唆する研究結果だと述べている。
(編集部)