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新型の鳥インフルが人へ感染、9日後に死亡―中国

 2014年02月07日 17:30

 中国で鳥インフルエンザウイルス(A/H7N9型)による多数の死者が報告されているが、それとは異なる種類の鳥インフルエンザウイルス(A/H10N8型)に女性が感染し、9日後に死亡したことが発表された。中国・南昌市疾病対策センターのHaiYing Chen氏らは、これまでの報告ではH10N8型は人に感染する能力がなく、今回感染したのは新型のウイルスとしている。詳細は、2月5日発行の英医学誌「Lancet」(電子版)に掲載されている。なお、この女性が感染したのは2013年11月だが、今年1月には同じ南昌市で2例目の感染が発生している(関連記事)。

人間にとって脅威になる恐れ

 インフルエンザウイルスはA、B、Cの型があり、A型はさらに100種類以上の亜型に分かれる。有名なA香港型はA型の中のH3N2という亜型、2009年に流行した"新型インフルエンザ"はH1N1という亜型だ。鳥インフルエンザは鳥類のみに感染する亜型だが、人に感染する亜型と遺伝子が混ざることなどで、人に感染する力を得る場合がある。

 2005年に東南アジアで猛威をふるったH5N1型や、現在も中国で流行しているH7N9型も、こうした遺伝子の変異によって人に感染しやすくなった可能性が指摘されている。

 Chen氏らが今回、73歳の女性を死に至らしめたウイルスを解析したところ、人への感染力を持つとされるH9N2型の遺伝子を含んだH10N8型の新型ウイルスであることが判明。「タミフル」などのノイラミニダーゼ阻害薬が効きやすいことが分かっているものの、同氏らはパンデミック(世界的流行)の可能性を否定せず、「人間にとって脅威になる恐れがある」とした。

 なお、73歳の女性の容態が急速に悪化した点については、H10N8型への感染と持病があったことの両方が関連しているのではないかと分析している。

鳥インフルエンザ(A/H10N8型)初感染例

73歳女性、江西省南昌市在住
2013年11月23日 生きた鳥を扱う市場を訪問
      27日 発症
      30日 高熱で入院
     12月2日 集中治療室(ICU)に入室
     12月3日 抗ウイルス薬による治療を開始
     12月5日 多臓器不全で死亡

(編集部)

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