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インフルなどに合併するウイルス性筋炎

 2014年02月12日 06:00

 インフルエンザなどにかかると、風邪の症状だけでなく腕や脚の筋肉が痛むことがある。これがウイルス性筋炎で、多くの場合が1週間程度で治るとされるが、まれに重症化することがある。その場合は入院して検査、治療が必要になるという。慶応義塾大学病院(東京都)内科の西川あゆみ医師に聞いた。

ウイルスによって筋肉がダメージ

 ウイルス性筋炎は全身のだるさ、せき、鼻水、鼻詰まり、喉の痛みなど風邪の症状が先に起こり、大抵はその直後から2週間以内に発症する。腕や膝、太ももなどの筋肉がだるく、痛みなどを感じる。ウイルスによって筋肉がダメージを受けるためとみられている。

 問診や症状などからウイルス性筋炎と診断されたら、消炎鎮痛薬(痛み止め)で熱を下げ、筋肉の痛みを取るなどの治療を行う。

 「体内のウイルス量が減れば2~4日ほどで筋肉の痛みは消え、1週間前後で治ります。自宅で薬をきちんと飲んで安静にしていることが大切。脱水にならないように水分を十分取ることも忘れずに」(西川医師)

点滴が必要なことも

 重症化することはほとんどないが、2~3日しても筋肉の痛みで歩くことが困難とか、トイレで座るのに苦痛を伴う、腕を上げにくいなど、生活に大きく支障があるときは入院して検査、治療が必要となる。

 血液検査の一つに、「CK」や「CPK」と呼ばれるクレアチンキナーゼ(クレアチンホスホキナーゼ)の測定がある。筋肉がダメージを受けていることの目安となる値で、基準値より著しく高い場合、点滴の治療を行うことがある。

 筋肉のダメージの度合いが高いと、筋肉の細胞内の成分が血液の中に大量に流れ出し、急性腎不全や不整脈を起こすことがある。点滴は、そうした事態を避けるための処置だ。

 西川医師は「いずれにしても、ウイルス性筋炎は一般的には深刻に考える病気ではありません。医師の指示に従って安静を保つことが大切です」とアドバイスしている。

(編集部)

2013年2月取材(記事内容、医師の所属・肩書きは取材当時のもの)

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