水をたくさん飲むだけで痩せることはありません。

　ファッションモデルが「1日2リットルの水を飲んでいる」などと発言したことから、「水をたくさん飲むと痩せる」という神話が生まれたようです。手軽に取り組めることもあり、広く知られていますが、たくさんの水を飲むことで痩せられるという科学的な根拠はほとんどありません。

　米国で55～75歳の肥満者を対象に、1日当たりの食事は1,200～1,500キロカロリーとし、毎食前に450ミリリットルの水を飲む群と水を飲まない群に分けて、12週後に体重の変化を調べた研究があります。

　水を飲んでいた群では約7キロ、飲まなかった群では4.9キロの減量が認められ、水を飲んでいた群の方が痩せたという結果でした。水でおなかが膨れ、食欲が抑えられたからだと考えられています。

　しかし、若年層では胃腸の動きが良いので、同じような結果が得られるかは分からないとのことです（関連記事：食前にコップ2杯の水で減量効果、米RCTで確認）。

　水をたくさん飲めば、カロリーを消費して痩せられるということを示した研究はほとんどないのです。

　また、水を飲み過ぎると低ナトリウム血症になり、水中毒を引き起こす危険性もあります。

　水を飲むことは良いことですが、水をたくさん飲むことが余分な体重を落とすのに役には立ちません。十分な睡眠とバランスの良い食事、適切な水分補給が健康的な美しさにつながります。