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日本人男性の"硬さ"が低下傾向に―札幌医大研究

 2014年05月09日 10:30

 男性側の問題で妊娠できない男性不妊は、勃起不全(ED)も一因。ある程度、陰茎が硬くならないと性交自体ができないためだ。こうして不妊にもつながる陰茎の硬さが、15年前と比べて低下傾向にあるという研究結果が、4月24~27日に神戸市で開かれた日本泌尿器科学会の会合で報告された。発表した札幌医科大学医学部の高柳明夫氏によると、男性の性機能全体が下がっており、原因の一つとして男性ホルモンの一種、テストステロンの値が下がっていることが挙げられるという。

50、60代で著しく低下

 世界保健機関(WHO)の調査では、不妊の約半数で男性側に原因があるとされている(関連記事)。男性不妊は精子を作る精巣の機能に問題がある「造精機能障害」が多くを占めるが、日本では最近、女性の膣(ちつ)内で射精に至らない「膣内射精障害」が増えているといわれる(関連記事)。

 高柳氏らは今回、北海道南西部の島牧村(人口約1,700人)に住む40~79歳(中央値64歳)の男性について、1992年度(参加者319人)と2007年度(参加者172人)の2度にわたって性機能などを調査した。

 アンケートで調べた勃起時の陰茎の硬さを調べると、2007年では15年前と比べて低下傾向にあり、年齢別では50歳代と60歳代で著しく低下していた(図1)。

 性欲を起こす頻度も15年前と比べて減っていたものの、性機能の満足度には変化が見られなかったという。

テストステロンも大幅に低下

 さらに、血液検査の結果から50歳代のテストステロン値を比較したところ、2007年の調査(42人)では、1992年の調査(71人)から大幅に下がっていることが分かった(図2)。

 以上から、高柳氏は「15年間で日本人男性の性機能は減退しており、男性ホルモンの低下がその原因の一つと推測される」とまとめた。テストステロン値の低下を招いた根本的な原因については不明としながらも、「社会的ストレスや慢性疾患の増加が影響するとの推測もあり、ライフスタイルや価値観の変化が関与した可能性も考えられる」としている。

(編集部)

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