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自慰する女性ほど妊娠しやすい? 頻度とホルモンに関連

 2014年12月12日 17:00

 女性の不妊検査で測定されるFSH(卵胞刺激ホルモン)やテストステロンなどのホルモンは、妊娠しやすさの目安の一つとして知られている。こうしたホルモンが、自慰(マスターベーション)の頻度が多い女性ほど妊娠に向いた数値になっていると、米ミシガン大学ヘルスシステムのJohn F. Randolph氏らは、11月20日発行の米医学誌「Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism」(電子版)に報告した。

中年女性3,301人を10年間調査

 女性のホルモン検査は、各ホルモンが妊娠しやすい状態かどうかを調べるためのもの。卵巣を刺激するFSHは低い方が、エストロゲンの一つであるエストラジオールと、その元となるDHEA、男性ホルモンのテストステロンは高い方が、卵巣の機能が良いとされている。

 Randolph氏らは今回、米国の7施設で行われた研究の参加者のうち、子宮と卵巣(一方のみでも)が残っている42~52歳の女性3,301人(白人、アフリカ系、ヒスパニック、中国系、日系を含む)のデータを解析。10年間にわたって年1回、計10回の診察を行い、性機能に関するアンケート調査や血液検査による生殖ホルモン値を測った。

 研究の開始時には全ての女性が閉経前または早期閉経周辺期だったが、10回目の診察時には76.9%が閉経しており(8.5%が手術により閉経)、6.99%はホルモン療法を受けていた。両時点でのパートナーがいない割合は13.9%、22.8%。性欲を感じる頻度が週1~2回だったのは58.4%、35%だった。

性欲感じる頻度多い人でも

 解析の結果、FSH、DHEA、テストステロンは自慰の頻度が多い人でより妊娠に向いた数値になっていることが分かった。しかし、エストラジオールやSHBG(性ホルモン結合タンパク)には関連が認められなかった。なお、自慰をしている女性の割合は、パートナーがいる女性で47.23%、いない女性で55.4%だったという。

 一方、性欲を感じる頻度が多い人では、DHEAとテストステロンの数値が高まっていたが、FSH、エストラジオール、SHBGとの関連はなし。オーガズムに達する頻度や性交時に痛みを感じる頻度は、どの生殖ホルモンとも関連が認められなかった。

「結果は微妙」

 今回の結果について、Randolph氏らは「閉経周辺期にある女性の性機能と生殖ホルモンのFSH、テストステロン、DHEAは関連することを示す」と結論した。

 その一方で、アンケートが参加者の自己申告、質問項目が民族に最適なものでない可能性があることなど、研究の欠点を紹介。その上で「民族などを考慮すると、今回の結果は微妙。また、自慰や性欲などの頻度は、パートナーとの関係や心の状態などが強く関与するため、実際に当てはまるかどうかは限定的」としている。

(編集部)

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