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心の不調、訪れるべきは精神科? それとも心療内科?

 2015年07月22日 06:00

 訳もなく憂うつな気持ちが続く、不安な気持ちが晴れない...。もしかして心の病気かも? と思ったとき、精神科と心療内科のどちらを受診したらよいのか迷ったことはないだろうか。書籍『精神科・心療内科の上手なかかり方がわかる本』(講談社)の監修者である、赤坂診療所(東京都港区)の渡辺登所長に話を聞いた。

心の不調は精神科、体調不良があれば心療内科へ

 「大きく分けると、精神科ではうつ病、統合失調症などの心の病を専門的に治療します。それに対して心療内科は、胃潰瘍、過敏性腸症候群(IBS)、気管支喘息(ぜんそく)などといった、体の不調に心理的な要因が関わっている場合(心身症)が対象となります」と渡辺所長。自分では単なる体の不調だと思って内科を受診しても、症状の出るきっかけや治りにくさに心理的な原因がある場合は、内科から心療内科の受診を勧められることもあるという。

 本来は、精神科と心療内科は専門分野が異なり、それぞれ精神科医、心療内科医が診察しているが、実際にはどちらを受診しても、心身症やうつ病などの治療はしてもらえるのが現状だ。

 「患者さんの中には、精神科を受診することに心理的ハードルを感じる人が多いため、ほとんどの精神科医は診療科名に『心療内科』を併記しています。精神科医は心身症の診察もできるので、どちらにかかっても大丈夫です」と渡辺所長は話す。

クリニックや総合病院なども使い分けを

 診療科名以外にも、総合病院や大学病院、クリニックなど、医療機関の形態・体制の違いに戸惑う人も多いかもしれない。

 「精神科に限りませんが、医療機関によって規模、機能、体制に違いがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。継続して通うことを考えて、通いやすさやほかの病気の有無、入院の可能性などをよく考えて、自分に合った医療施設を選ぶことが大切です」(渡辺所長)

精神科医を選ぶ目安「精神保健指定医」 

 最後に、精神科医選びの目安についても聞いた。「精神科医を選ぶときの目安となる資格に『精神保健指定医』があります。これは、診療の経験と、精神障害の診断・治療に一定以上の経験を持つ医師のうち、厚生労働省から指定された医師のみが得られる資格です。国が、ある一定のレベルをクリアしていることを認めているという点で、医師選びの際の参考になると思います。この資格を持っている医師は、看板などに診療科名とともに明示しているので、その辺りもチェックしてみてください」と渡辺所長は助言している。

(楠本知子/W&E net)

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