"大人ニキビ"ある男性は糖尿病に注意―インド研究
2016年02月04日 06:00
思春期の若者の多くが悩まされるニキビは、青春のシンボルともいわれる。しかし、成人してから"大人ニキビ"に悩む人も意外に多い。そんな大人ニキビがある男性では、ない男性に比べて糖尿病につながる「インスリン抵抗性」のある人の割合が2倍に上り、糖尿病になりやすいことが、世界ワースト2位の糖尿病大国であるインドの研究で示された。この研究結果は、同国北部チャンディーガルにある医学教育研究大学院研究所のモヒト・ナグパル氏らが、昨年12月23日発行の米皮膚科専門誌「JAMA Dermatology」(電子版)に報告した。
5人中1人にインスリン抵抗性
思春期のニキビは、ホルモンバランスの崩れや皮脂の過剰な分泌によって引き起こされる。一方、大人ニキビは、ホルモンバランスの乱れだけでなく、不規則な生活習慣や偏った食事、ストレスなど、さまざまな要因が重なってできるといわれている。そのため、最近では、大人ニキビとメタボリックシンドローム(メタボ)や糖尿病などの生活習慣病との関連についての研究も行われているようだ。
一方、膵臓(すいぞう)から分泌されるホルモンのインスリンには、血糖値を下げる働きがあるが、インスリン抵抗性はこれが十分に働かない状態をことをいう。この状態になると食後に血糖値が上がりやすくなり、さらには糖尿病(2型)につながっていく危険性が高まるとされている。
ナグパル氏らは、20歳以上で皮膚科を受診した大人ニキビのある男性100人(大人ニキビ群)とない男性100人(ニキビなし群)を対象に、インスリン抵抗性やメタボの有無を調べた。
その結果、インスリン抵抗性がある人の割合は、大人ニキビ群で22%と、ニキビなし群の11%に比べて2倍多かった。一方、メタボのある割合には大きな差はなかった。また、大人ニキビの重症度とこれらの割合には関係がなかったという。
以上のことからナグパル氏らは、大人ニキビのある男性では、将来に糖尿病を発症する可能性が高いため、注意が必要と述べている。
(あなたの健康百科編集部)