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琴奨菊関の睡眠に学ぶ! 睡眠時無呼吸とEDの関係

 2016年02月16日 21:30

 日本出身力士として、10年ぶりに優勝した大関・琴奨菊関。祐未夫人の存在が大きな原動力になったのは有名だが、もう一つ、初優勝の支えになったモノがある。それが「CPAP(シーパップ)」と呼ばれるマスクが付いた人工呼吸器だ。2月9日放送のテレビ朝日系バラエティー番組「中居正広のミになる図書館」は、琴奨菊関とその親友でライバルの豊ノ島関が出演。知られざる力士の日常生活が紹介され、睡眠時無呼吸症候群とED(勃起不全)の関係も明らかにされた。

力士の睡眠に欠かせない人工呼吸器

 睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が止まったり、弱くなったりを繰り返す病気。気道がふさがれて起こることが多く、よく眠れないため昼間に眠くなったり、集中力が下がったりなど、生活にさまざまな支障が出てくる。2003年に起こった山陽新幹線の居眠り運転事故は、この病気を有名にした。大きなイビキや夜中にたびたびトイレに起きるなど、思い当たるふしがある人は要注意だ(関連記事:危険な睡眠時無呼吸症候群、心筋梗塞招く恐れも)。

 太った人は気道を圧迫されるのでかかりやすいといわれているが、琴奨菊関をはじめ多くの力士がこの病気に悩まされ、力士はみんな寝るときに「CPAP」を着けているという。これには、司会の中居正広さんらもビックリ。

 豊ノ島関が「呼吸器なしで寝ると後悔します。眠りも浅くて苦しいし、脳に酸素が行かないせいか、朝起きたときに頭が痛くなります」と話すと、琴奨菊関も「呼吸器が故障して使えないときなど、苦しいので座りながら寝ることもあります」と、力士ならではの悩みを打ち明けた。

 この話題に飛びついたのが、体重100キロ超というお笑いコンビ「タイムマシーン3号」の関太さん。朝起きたとき頭が痛いと訴えると、豊ノ島関が「絶対無呼吸! "無呼吸顔"してますもんね」と答え、スタジオ中が笑いに包まれた。続いてスタジオには、豊ノ島関が使っているCPAPが登場。夜はもちろん、昼寝のときも着けると琴奨菊関は話した。

約7割がEDを合併

 番組には、昭和大学藤が丘病院(横浜市)の佐々木春明副院長(泌尿器科)が登場し、睡眠時無呼吸症候群になると性機能が低下してEDになると説明。ドイツ・レーゲンスブルク大学などの発表によると、睡眠時無呼吸症候群患者のED合併率は68.8%に上り、また、48%に性欲低下の兆候が見られるという。

 「EDになるんですか!」とショックを受けた豊ノ島関。しかし「1回や2回装着し忘れてもすぐにEDになるということではありません」という佐々木副院長の言葉にひと安心。一方、昨年結婚したばかりの関さんは「全然性欲が湧かない」と悩みを訴えた。

 佐々木副院長によると、太っている人、首の短い人、加齢によって舌根(ぜっこん=舌の根元)が落ち込んでいる人は、睡眠時無呼吸症候群の危険性が高くなるのだそう。だが、睡眠時無呼吸症候群でEDを併発している人がCPAPを1カ月間装着したところ、約7割でEDが改善したという調査結果もあるという。

 これを聞いた関さんはCPAPの購入に心が動いたが、番組では、病院で中等度以上の睡眠時無呼吸症候群と診断された人は、健康保険が適用されて月額5,000円程度でレンタルできることを紹介。"中度以上の睡眠時無呼吸症候群が条件"に反応した豊ノ島関は「選ばれた者だけが装着できるんです」と得意気に話していた。

 次回の2月16日は、俳優の安田顕さんと加藤諒さん、お笑いコンビ「平成ノブシコブシ」の吉村崇さんらをゲストに迎え、「知らなきゃ良かった!」第59弾が放送される予定。

(萩原忠久)

危険な睡眠時無呼吸症候群、心筋梗塞招く恐れも

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