池袋駅から徒歩10分ほど

　池袋は言わずと知れた、東京を代表する繁華街である。仕事で訪れる人、サンシャインシティに遊びに行く人、立教大学などの学校に通っている人も多いだろう。繁華街の名前が冠についたジムでも、使い勝手の悪い場所にある場合もあるが、「豊島区池袋スポーツセンター」（公式略称＝イケスポ！）は、池袋駅から徒歩10分ほどと、比較的近い場所にある。

　JR池袋駅の東口を出て北へ進み、家電量販店「ビックカメラ」池袋本店の裏の道を歩いていく。大通りではないので、初めて来た人は迷うかもしれない。「イケスポ！」が入っている「豊島区立健康プラザとしま」は、豊島清掃工場の隣に建っているビルだ。白く高い煙突が見えるので、それを目印にするとよいだろう。

　「健康プラザとしま」は11階建ての立派な建物だ。8～11階が「イケスポ！」になる。ジムは地下にある場合が多く、高い位置にある場所は珍しい。他には、コミュニティセンターや健診センターが入っている。

　受付がある9階に、エレベーターで昇る。受付は明るくキレイで、民営ジムも顔負けな雰囲気だ。スタッフもとても丁寧で、ハキハキと応えてくれる。初めて利用する人は、マシンの使い方などの指導をしてもらえる。

2時間で400円、追加料金は1時間200円

　後に具体的に紹介するが、トレーニングルームはとてもレベルが高い。ただ、使用料は400円と区営のジムの中では少し割高で、かつ使用は2時間までという制限がある。長く有酸素運動をしたい人には大きいデメリットだ。時間をオーバーした人は、ジムを出る時に追加料金を払うシステムなので、追加の1時間200円が惜しくない人は気にせずにゆっくり利用できる。プリペイドカードで購入すれば、3,000円のチケットを2,700円で、6,000円のチケットを5,400円で購入できる。

　利用時間は、月～土曜は午前8時半～午後10時、日曜午前8時半～午後9時と、区営スポーツ施設の中でもトップレベルに長いのはうれしい。

　チケットを購入し更衣室に行く。シューズやウエアも借りることができる。着替えが終わった後は、階段で9階に上りトレーニングルームへ。とにかく規模が大きくてびっくり。ランニングマシン、エアロバイクなどの有酸素マシンはなんと33台もあり、窓際にずらりと並んでいる。場所柄、利用者は多いが、それでも全部のマシンが埋まるほど混雑するのはまれだろう。

　何より良いのが、ジムがあるのが9階だという点だ。ランニングマシンの前の大きな窓からは、池袋の夜景が一望できる。筆者が訪れたのは夕方だったのだが、ランニングしている間に徐々に日が沈み、夜景に移ろっていく様子はとても美しかった。壁や鏡を見ながら走るのに飽きた人は、この景色のためだけに訪れてみてもいいかもしれない。

　筋トレマシンも20台とかなり充実している。使い方が分かりづらいマシンもあるが、スタッフが丁寧に利用方法を教えてくれた。会社の同僚同士で来てゆるゆると有酸素運動をする二人組、熱心にハードなトレーニングをするアスリートと思われる若い人など、利用者はサラリーマンや学生が多いように感じた。

広々としたプールや武道場、各種サービスも大充実

　トレーニングルーム以外の施設を紹介する。開放感あふれるスタジオでは、気功、エアロビ、ヨガ、ダンス、モムチャンダイエットなどのクラスが実施されている。ワンレッスン200円なので、気軽に利用できる。

　プールは最上階、11階にある。25メートル4コースと子供用のプール、ジャグジーがある。11階からの眺めはさらに素晴らしく、高級ホテルのプールも顔負けのシチュエーションだ。水中歩行、アクアビクス、アクアシェイブなどのプログラムが用意されている。1クラス100～200円だ。

　8階には武道場が入っており、100畳の畳敷きと、サンドバック2つが設置されている。休憩室は広く、リラックスできるシートもあり、のんびりできる。無料でスポーツドクターによる健康相談を受けられるほか、500円で体のゆがみを診断するサービスもある。

　とにかく眺望が素晴らしく、利用していて気分が良い施設だった。池袋から少し離れている人も、わざわざ足を運ぶ意味のある施設だと思った。

（文・写真／大野俊）