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HIV関連検索が過去最高、C・シーンさん公表が啓発に貢献

 2016年02月26日 06:00

 昨年11月、テレビのインタビュー番組で、HIV(エイズウイルス)に感染していることを告白した米俳優チャーリー・シーンさん。麻薬の乱用や発砲事件、5,000人ともいわれる女性関係などで世間を騒がせてきたが、今回はHIVの啓発に貢献したことが分かった。しかも、大学研究で一流医学誌に掲載されるというお墨付きだ。米サンディエゴ州立大学公衆衛生大学院のジョン・エアーズ氏らは、シーンさんの公表直後からニュース記事でHIV感染について取り上げられる頻度が高まり、人々がインターネットでHIV感染や症状、予防などについて検索する回数も跳ね上がっていたと、2月22日発行の米医学誌「JAMA Internal Medicine」(電子版)に報告した。

通常よりも275万件多い検索数を記録

 今回、エアーズ氏らはブルームバーグやグーグルの2004~15年のデータを用い、「HIV」「コンドーム」「HIVの症状」「HIV検査」のいずれかを含む英語で書かれたニュース記事を検索した。

 その結果、これらの検索ワードを含む記事が全ての記事に占める割合は、2004年には1,000本当たり67本だったのに対し、2015年には同12本まで減少,関心が薄れつつあることが示唆された。ところが、シーンさんが感染を告白した11月17日にはこの数が倍増。グーグルニュースだけでHIV感染に関する記事本数は6,500本に上った。

 さらにこの日、グーグルでHIVに関係するワード(「コンドーム」なども含む)を検索した人の数は通常の約4倍に上った。「HIV」を含むワードの検索数も通常に比べ275万件多く、史上最高の検索数を記録した。

「チャーリー・シーン効果」活用した啓発活動を

 以上を踏まえ、エアーズ氏らは「誰かがHIV感染の公表を強要されるようなことはあってはならないが、今回のシーンさんの告白は、一般の人々がHIV感染やその予防について理解するきっかけとして役立った可能性がある」と結論付けている。

 ただ、エアーズ氏らは「ニュース記事の本数やネットの検索数は、人々の認知度や行動パターンを直接示すものではない」とも説明。シーンさんの告白が本当に人々の意識や行動に影響を与えたのかどうかを見極めるには、実際にHIV検査を受けた人の割合などを調べる必要があるとしている。

 さらに、同氏らは「ニュース記事でシーンさんの告白を紹介する際には感染予防の重要性についても触れるなど、"チャーリー・シーン効果"を活用するのは(啓発の手段として)賢いやり方では」との見方を示している。

(あなたの健康百科編集部)

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