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「座って過ごす時間が長過ぎ」で年間43万人が死亡

 2016年04月13日 06:00

 世界で年間43万人以上が「座って過ごす時間が長過ぎたこと」が原因で死んでいる―3月23日発行の米医学誌「American Journal of Preventive Medicine」(電子版)に、そんな調査結果が掲載された。ブラジル・サンパウロ大学予防医学のリアンドロ・フォルニアス・マチャド・デ・レゼンデ氏らが、世界54カ国で40~79歳に亡くなった人のデータを分析したもの。最近は、定期的に運動していたとしても、日常的に座って過ごす時間が長いと健康状態が悪化する可能性があるとの研究結果が多く報告されており、運動不足とともに「座って過ごすこと」が問題視されつつある。レゼンデ氏らは、今回の結果を踏まえ「早死にを避けるには、運動だけでなく座って過ごす時間を短くすることも重要」と強調している。

日本ではさらに影響大?

 近年、日常的に座って過ごす時間(座位時間)が長いと糖尿病や心臓病、がんなどを発症する危険性が高まるばかりか、寿命が短くなる可能性を示す研究結果が相次いで報告されている。しかし、そのほとんどは1カ国のみ、あるいは数カ国のデータに基づいたものだった。そこで、今回レゼンデ氏らは北南米やアフリカ、欧州、アジアなど54カ国から成人の座位時間を含むデータを集め、死因としてどの程度影響しているか割り出した。

 その結果、40~79歳で亡くなった人の3.8%(年間43万3,000人に相当)は、1日当たりの座位時間が3時間以上だったことが原因で死亡していたと推定された。また、座位時間を1日3時間未満にすることで、54カ国の平均寿命が0.23年延びることも分かったという。平均座位時間は1日4.7時間だったという。

 なお、今回の調査対象に日本は含まれていない。ただ、2013年に日本やオーストラリア、米国、ノルウェーの高所得4カ国では座位時間が長いことによる死亡が6%を占めていたとする調査結果が報告されており、影響は世界平均よりも高い可能性がある。

 座位時間を1日3時間未満にした方がよいと言われても、仕事柄それが難しい人は多いだろう。最近、米国のIT企業などでは、従業員の健康増進のため、立ったままPC作業ができる高さ調節が可能な「スタンディング・デスク」を導入する企業も増えているというが、その普及を待つわけにもいかない。まずは、座ったままでの作業が続いたら立ち上がって歩き回り、通勤電車では座席が空いても座りたい気持ちをぐっとこらえるなど、日常でできるだけ座る時間を短くすることを心がけたい。

(あなたの健康百科編集部)

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