メニューを開く 検索

トップ »  疾患・健康ニュース「あなたの健康百科」 »  梅毒の検査、3カ月に1回して!...米専門家委員会が勧告

疾患・健康ニュース「あなたの健康百科」一覧

梅毒の検査、3カ月に1回して!...米専門家委員会が勧告

 2016年06月14日 06:00

 米政府の専門家諮問機関である米国予防医療作業部会(USPSTF)は6月7日、男性の性的パートナーを持つ男性やHIV感染者など梅毒に感染する危険性が高い人に対し、3か月ごとに梅毒の検査を実施することを推奨する勧告を発表した。わが国では近年、梅毒患者数の増加が問題視されているが、米国でも同様の傾向にあり、2014年の梅毒感染の報告数は6万人を超えていたという。勧告の全文は米医学誌「JAMA」(2016; 315: 2321-27)に掲載されている。

「服役経験」「性風俗産業での勤務経験」ある男女も高リスク

 梅毒は性的接触などを介して「梅毒トレポネーマ」という細菌に感染することで引き起こされる病気。感染すると3~6週間は目立った症状がないが、その後性器など感染した場所に固いしこりができ、続いてしこりが破れて潰瘍ができる。さらに数週間から数カ月間に細菌が全身に広がり、皮膚や粘膜に発疹ができる。放置していると皮膚から筋肉、さらに骨が破壊されていき、最終的には神経や心臓、血管などが侵される。
わが国ではかつて梅毒患者数は減少傾向にあったが、2011年を境に徐々に増加。国立感染症研究所の調べでは、昨年(2015年)の梅毒感染者の報告数は同じ手法で調査を始めた1999年以降で最多を記録した。特に若い女性での増加率が高く、20~24歳の女性では前年同時期の2.7倍に上っていたという(関連記事:「20~24歳女性の「梅毒」昨年の2.7倍...全体でも過去最多」)。

 一方、梅毒が増加しているのは米国も同様のようだ。発表された勧告の背景情報によると、同国でも2000年以降、梅毒患者数は増加傾向にあり、2014年の報告数は6万3,450人で前年と比べ12.3%多かったという。

 今回、USPSTFは妊婦以外の大人や若者を対象とした梅毒の検査に関する勧告を12年ぶりに改訂。梅毒の検査の有効性について調べた研究結果を検証したところ、現在一般的に行われている検査法の正確性は高く、またHIVに感染した男性の性的パートナーを持つ男性において、3か月ごとに検査すれば初期の梅毒を発見できる可能性が高いことなどが示されたとして、男性の性的パートナーを持つ男性やHIV感染者に対して梅毒の検査を3か月ごとに検査することで早期発見できる可能性が高まるとしている。このほか、梅毒の感染リスクが高いのは「服役経験のある人」「性風俗産業での勤務経験がある人」「29歳以下の男性」など。なお、妊婦に対する梅毒の検査に関しては、2009年にUSPSTFから最新の勧告が公表されている。

(あなたの健康百科編集部)

ワンクリックアンケート

円安水準を更新。円安で何を思う?

トップ »  疾患・健康ニュース「あなたの健康百科」 »  梅毒の検査、3カ月に1回して!...米専門家委員会が勧告