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コラーゲンのサプリで傷の治り早まる

 2016年07月25日 06:00

 「お肌がぷるぷるになる」「関節の痛みがやわらぐ」といった効果があるとして、一時期ブームになったコラーゲン。しかし、科学的な根拠を重視する医療従事者の間では「コラーゲンを食べたり飲んだりしても体内で分解されてアミノ酸になるため、そのような効果はない」という考えが主流だった。ところが最近、やはりコラーゲンは肌に良いのではないかと思わせる研究報告が相次いでいる。しかも、コラーゲンはお肌のハリや潤いをもたらすだけでなく、傷の治りを早めることも分かってきたという。医療従事者からは「眉唾」と冷ややかな視線を送られることもあったコラーゲンの効果だが、こうした研究成果を受けて医学界でも見方が変わりつつあるようだ。

飲んでから3時間後も血液中に確認

 コラーゲンはタンパク質の一種で、人間の体内の全てのタンパク質の3分の1を占めると言われている。魚や肉にも含まれ、手羽先や魚のアラなどを煮たときの「煮こごり」はコラーゲンそのものだ。また、こうしたコラーゲンを構成する小さな粒子(分子)に熱を加えることでより小さくしたものがゼラチン、さらに酵素などでより小さな分子にしたものを「コラーゲンペプチド」という。サプリメントの多くは、コラーゲンペプチドを含んだもので、コラーゲンよりも消化吸収されやすいとされる。

 「コラーゲンによる肌や関節への効果はない」と主張する人の多くは、その根拠として「コラーゲンやコラーゲンペプチドを食べたり飲んだりしても分解されてアミノ酸になる」ことを挙げている。しかし、京都大学大学院農学研究科応用生物科学の佐藤健司氏らが以前、健康な男女5人に市販のコラーゲンペプチドのサプリメントを飲んでもらい、血液を検査したところ、全てのペプチドが体内でアミノ酸に分解されるわけではなく、飲んでから3時間後も血液中にペプチドが残っていることが分かったという(J Agric Food Chem 2005; 53: 6531-36)。

 さらに、「床ずれ」とも呼ばれる褥瘡(じょくそう)のある人にコラーゲンペプチドのサプリメントを1日10グラム飲んでもらったところ、プラセボを飲んでもらった人に比べて褥瘡の傷の治りが早かったとする研究成果(Jpn Pharmacol Ther 2015;43:1323-8)も別のグループから報告されているという。

 佐藤氏によると、これらの他にもコラーゲンペプチドのサプリメントが肌に良いことを示す複数の研究成果が報告されているという。医療従事者の間ではコラーゲンの効果に否定的な見方が広まっていたが、こうした科学的な検証が進めば、再びコラーゲンブームがやってくる可能性は高い。

(あなたの健康百科編集部)

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