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「真夏に歩道を1時間歩く」で子供は熱中症に

 2016年07月28日 06:00

 名古屋工業大学、東北大学サイバーサイエンスセンター、日本気象協会の共同研究グループは7月25日、熱中症リスクを計算する技術に気象予報データなどを組み込み、「アスファルトの歩道」「運動場」といった現実的な環境で熱中症になる危険性がどの程度かを見積もることができるシステムを開発したと発表した。このシステムを応用して真夏にアスファルトの歩道を1時間歩いた場合の熱中症リスクを見積もったところ、22歳の大人に比べ3歳児の子供は体温の上昇が2倍となり、発汗量も多く、初期の脱水症状になるリスクがあることが分かったという。

周囲の気配り促しお年寄りや子供の予防に

 このシステムは、以前、研究グループが開発した熱中症リスク評価システムを改良したもの。アスファルトや運動場などの現実的な環境における気温や湿度の測定データや、日本気象協会の気象予測データを組み込んだ。

 このシステムを使って外気温が約34度の環境で、アスファルトで舗装された歩道を1時間歩いた場合の熱中症リスクを見積もったところ、22歳の大人は体温が0.61度上昇するのに対し、3歳の子供は1.12度と成人の2倍も上昇することが明らかになったという。

 また、1時間にかいた汗の量は大人では体重の0.34%だったのに対し、幼児では体重の2.3%に達し、初期の脱水症状リスクがあることが分かったとしている。

 アスファルト舗装された道は草場や土の地面に比べて熱をため込みやすいだけでなく、照り返しも強い。地面に近づくほど温度が高くなるため、大人よりも体格の小さな子供の方が熱による影響を受けやすい。今回、想定した「アスファルトで舗装された歩道を1時間歩いた場合」の体表面の温度も、以下のように成人に比べて子供ではかなり高かったという。

 研究グループは「このシステムを使えば、より現実に即した環境下で、将来の熱中症リスクを見積もることができる。また、特にリスクが高い高齢者や子供などの感覚を把握でき、周囲の気配りを促すことにもつなげられる」と説明。場面に応じた熱中症の予防に同システムを役立ててほしいとしている。

(あなたの健康百科編集部)

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