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実は、ぜんそくでない可能性も?!

 2017年02月27日 06:00

 激しい咳や呼吸困難に悩まされるぜんそくは、近年の治療薬の進歩により以前よりコントロールが可能になり、重症喘息は減少してきたといわれているが、大人では子どもに比較して慢性化、重症化しやすい。厚生労働省患者調査(平成26年)によれば、日本のぜんそく患者はおよそ117万人、そのうちの約65%が大人のぜんそく患者だという。この大人のぜんそく患者について-ぜんそくと診断された成人のうち3分の1がその後の診断でぜんそくが否定されたとカナダのグループが医学誌(2017 ;317: 269-279)に発表した。

再評価の3分の1が「ぜんそくでない」と判定

 同グループは2012~16年に登録され過去5年以内にカナダ国内の10都市で医師によりぜんそくと診断され、研究への参加を承諾した701人を対象に再評価が行われた。

 すべての参加者は、ピークフローおよび症状モニタリング、肺活量測定、連続的な気管支ぜんそくテストで評価され、毎日のぜんそく薬を使用していた参加者は、4回の訪問を経て徐々に薬剤を減少させた。

 再評価はぜんそく治療薬中止後また呼吸器専門医による他疾患の診断後に、ぜんそく症状の急性増悪や可逆性気道閉塞、気管支過敏性などを測定した。

 この過程を全て完了した613人でぜんそくを再評価した結果、203人がぜんそくでないと判定され、12人は重度の心肺疾患で、初期診断でぜんそくと誤診されていた。

 さらに、1年後には181人が喘息ではないと判定された。ぜんそくではないと判定された人は、ぜんそくだと判定された人に比べて初期診断で呼吸機能検査やピークフロー測定などの検査の施行率が低い傾向(43.8% vs. 55.6%)がみられたという。

(あなたの健康百科編集部)

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