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実は「身近」な希少疾患

 2018年02月09日 06:00

気軽に立ち寄れるイベント開催中

 「遺伝性血管性浮腫」や「ゴーシェ病」、「ライソゾーム病」や「ポンペ病」と聞いて、どんな病気のことか分かるだろうか。これらはいずれも、「希少疾患」「難治性疾患」と呼ばれる病気(いわゆる「難病」)。英語では、「希少」や「難治性」の区別はなく、「珍しい」を意味する"rare"を用いてRare Disease(レア・ディジーズ)という。珍しいとはいえ、その種類は7,000もあり、世界的な患者数は約3億5,000万人と推定される、実はとても「身近」な病気といえる。毎年2月末が「世界・難治性疾患デー」(RDD;Rare Disease Day)に制定されて今年で11年目。日本を含む世界各国で、肩肘張らずに気軽に交流ができる疾患啓発イベントが開催されている(関連記事)。

病気でも生きがいや希望も

 気軽に立ち寄れて、楽しめるイベント--。RDDの各イベントでは、たまたま通りかかった人がふらっと立ち寄っても楽しい時間を共有でき、希少疾患や難治性疾患が身近な存在として理解できるような工夫がなされている。希少疾患や難治性疾患というと、当事者のつらさに涙したり、社会的なバリアを嘆いたり、ついつい重苦しく受け止めてしまいがち。そうした一面もある一方、当事者にもそれぞれに日々の楽しみがあり、生きがいや夢、希望があり、様々な人たちとのつながりがあるのもまた事実だ。

 そしてもう1つ。希少・難治性疾患というと、「遺伝(子)」の話が出てきて、多くの人にとって理解するのはなかなか難しいかもしれない。でも、当事者がどんな症状を抱えていて、そのために日常生活や人生においてどんなことに困っているのか、普段は何に悩んでいて、それをどう乗り越えようとしているのかーといったことなら、誰もが共感しやすいのではないだろうか。

人と人とがつながり、今の自分にできることを!

 イベントに集まるのは当事者や家族、支援者ばかりではない。研究者や医師、看護師や介護者、製薬企業など、希少・難治性疾患の治療に関わる人たちもいる。彼らが共通して持っているのは「希少・難治性疾患について社会全体で興味、関心を持ってほしい。そして自分に出来る何かを見つけ、関わりを持ってほしい」という思い。そこから生まれる人と人とのつながりが、希少・難治性疾患の明るい未来につながるはず。だから、今年のRDDのテーマは「つながるちから」。そして、さらに踏み込んで、今1人ひとりができる行動に移してほしい、との願いから「Take Action Now」に決まった。あまり難しく考えず、まずは近くのイベント会場へ足を運んでみてはいかがだろうか(全国で開催中のイベントは下記をご参照:http://www.rarediseaseday.jp/2018/officials)。

(あなたの健康百科編集部)

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