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上手に水分補給―生活習慣とセットに

 2024年01月24日 14:12

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© Adobe Stock ※画像はイメージです

 脱水が特に懸念される夏場だけでなく、水分補給は季節を問わず習慣付けておくことが大切だ。水分を上手に取るこつを、帝京大学医学部付属病院(東京都板橋区)高度救命救急センターの三宅康史教授に聞いた。

▽基本は水とお茶

 日常的な水分補給に適しているのは水やお茶だ。お茶にはカフェインが含まれない麦茶や比較的少ないほうじ茶、カフェインが含まれるコーヒーや紅茶、緑茶などがある。「水分補給は水を基本に。お茶は好みの物を飲んで構いません。腎臓病や高血圧、糖尿病などの持病がある高齢者は、糖分の多いジュース類や、糖分と塩分が含まれているスポーツドリンクは控えた方がよいでしょう」。ただし、カフェイン入りのお茶には利尿作用があるため注意が必要だ。

 一般成人が1日に必要な水分量の約6~7割は食事から摂取できる。暑さで食欲が低下しがちな夏は、3度の食事をしっかり取ることが大事になる。「夏に食事が取れないと夏バテや熱中症の可能性が上がります。量は多くなくても1日3食取れている場合は、起床や入浴などの日ごろの習慣とセットにして水分を取れば、必要な量を無理なく補給できます」

 例えば、朝一番にコップ1杯の水を飲み、その後は午前10時、午後3時の休憩時、買い物から帰宅後の午後5時、入浴前後、寝る前、夜中にトイレに起きた時など。口を湿らす程度でもよいので、生活の中で小まめに水分を取る習慣を付けることがポイントだという。

▽濃い色の尿に注意

 冷たい飲み物を一気に大量に飲むと、頻尿、軟便や下痢、胃もたれなど消化器症状につながる恐れがある。例えば、2時間ごとに200ミリリットルを飲むよりは、1時間ごとに100ミリリットル飲む。夏はエアコンで室温を下げて温かいお茶を飲むなど、工夫次第で胃腸への負担は減らせる。逆に、水分が足りないと便秘になるリスクが上がる。

 こうした体調の変化を見逃さないために「体重、血圧、心拍数を毎日決まった時間に測る習慣を付け、排せつ時には尿と便をチェックしてほしい」。特に、排尿の回数が減る、尿の量が少ない、色がいつもより濃いといった場合は、体内の水分量が不足している可能性がある。いつもより濃い色の尿が出たら、多めに水を飲むなどして水分量を調整しよう。

 日ごろ、自宅で過ごしている高齢者が外出する場合は「飲み物を持参して小まめに水分補給すること。体調を崩している時は、水分の吸収が早い経口補水液を飲むとよいでしょう」と三宅教授はアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)

   ◇   ◇

 帝京大学医学部付属病院の所在地 〒173―8606 東京都板橋区加賀2の11の1 電話03(3964)1211(代)

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