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熱中症、重症はすぐ119番―消防庁アプリも活用

 2024年01月31日 09:13

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熱中症の重症度の目安

 今夏の気温は全国的に平年より高いとされ、熱中症の発症も増えそうだ。「受け答えできないなどの重症なら、ためらわず119番を。消防庁が開発した救急受診アプリを使えば、緊急度に応じて必要な対応が分かります」と話す消防庁救急企画室の門口清高救急連携係長に、熱中症を発症した人への対処について聞いた。

▽高温多湿日は要注意

 消防庁によると、毎年約4万人以上が熱中症で救急搬送されている。2022年の集計では、熱中症で救急搬送された人の半数が高齢者だった。全体の6割超が立ちくらみなどの軽症だったという。

 人の体には、体温が上がると汗をかくなどして熱を逃し、体温を元に戻そうとする働きがある。熱中症は、気温や湿度が高い環境にいることで体温が上昇し、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温の調節がうまくできなくなる状態だ。

 めまい、立ちくらみ、こむら返りなどの軽症から、頭痛、吐き気や嘔吐(おうと)などの中等症、意識障害、けいれんなど命に関わる重症まで、段階的にさまざまな症状が表れる。

 「高齢者は暑さに対する感覚機能や体の調節機能が低下するため、喉の渇きを感じにくく、熱中症に気付くのが遅れがちです。また、子どもは体温を調節する機能が未熟で熱がこもりやすい上、不調を伝えることが難しく熱中症が見逃されやすいため、注意が必要です」

▽まず涼しい場所に

 熱中症を発症した人を発見した場合、まず涼しい場所に移動させ、衣類を緩め、安静にさせる。屋内ならエアコンや扇風機で体を冷やす。水分、塩分が取れるようなら、楽な姿勢にして補給させる。

 「重症と判断したら即座に119番通報を。中等症や軽症であれば症状が改善するまで様子を観察し、改善しなければ医療機関の受診を勧めるなどしてください」。症状の緊急度を判定する全国版救急受診アプリ「Q助(きゅーすけ)」を使えば、案内に従って操作することで、救急車を呼ぶかどうかの目安を教えてくれる。

 119番通報で最も重要な情報は発生場所だ。住所や目印になるような建物などをオペレーターに伝える。できれば対象者の性別、年齢(推定)、症状なども伝えられるようにしておくとよい。

 「救急車の到着を待つ間に、首の周りや脇の下、太ももの付け根など、太い血管が皮膚の近くを通る部分を冷やすことが大切です。意識がもうろうとしている人に無理に水分を取らせると、窒息を起こす危険があるので要注意です」と門口係長は助言している。(メディカルトリビューン=時事)

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