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食物繊維不足が関連か―睡眠中の歯ぎしり

 2024年02月27日 10:00

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歯ぎしりの有無で比較した食物繊維摂取量

 上下の歯をぎりぎりとこすり合わせたり、かみしめたりする歯ぎしり。睡眠中の歯ぎしりは子どもや若者に起こりやすく、睡眠障害の一種とされるが、原因は分かっていない。睡眠中の歯ぎしりの要因について、岡山大学学術研究院予防歯科学(岡山市)の外山直樹助教に話を聞いた。

▽放置すると歯に異常が

 外山助教によると、睡眠中の歯ぎしりは、小学生で約20%、成人で約10%に見られ、高齢になるほど少なくなる。成長に伴ってなくなることも多いが、放置すると歯がすり減る、欠ける、詰め物が脱落する、または歯周病、顎(がく)関節症などの問題をもたらすという。

 その要因はまだ十分解明されていないが、最近の研究で、脳の興奮によって起きるとの見方がある。「私たちの過去の研究でも、睡眠中に脳が興奮してしまう、睡眠の質が悪い人は良い人に比べ、歯ぎしりの頻度が明らかに高いとの結果が出ています」

▽食物繊維少ないほど歯ぎしり

 睡眠の質は生活習慣の影響を受ける。食事の内容もその一つだ。そこで外山助教らは、睡眠中の歯ぎしりと栄養摂取量との関係を検討した。

 大学生143人を睡眠中の歯ぎしりの有無で二つに分け、過去1カ月間における35種の栄養素の一日摂取量を比べた。その結果、野菜、果物、穀物、豆類などに多く含まれる食物繊維の摂取量は歯ぎしりのあるグループが、ないグループに比べて少ない傾向を示した。

 さらに、143人を食物繊維の摂取量により四つに分け、最も多いグループと最も少ないグループの計74人について、歯ぎしりの有無で食物繊維の1日摂取量を比較した。すると、歯ぎしりのあるグループの摂取量は平均10.4グラム、ないグループは13.4グラムで、統計学的に明らかな差が見られた。食物繊維以外の栄養素で明確な差はなかった。

 外山助教は「食物繊維の摂取が睡眠中の歯ぎしりに有効かは今後、詳しい研究で明らかにする必要があります。ただ、食物繊維には多くのメリットがあり、特に若い人は不足気味なので積極的に取ることをお勧めします」と話している。(メディカルトリビューン=時事)

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 岡山大学学術研究院予防歯科学の所在地 〒700―8558 岡山市北区鹿田町2の5の1 電話086(235)6712

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