ＡＩがＸ線画像から年齢推定

 2024年03月07日 10:00

　胸部Ｘ線画像から高精度に体内年齢を推定する人工知能（ＡＩ）モデルを開発し、この体内年齢と実年齢の差が慢性疾患発症と関連することが分かったと、大阪公立大大学院の研究グループが発表した。

　研究グループは、健康診断を受けた健康な人３万６０５１人の胸部Ｘ線画像を用いて、肺や大動脈の特徴から体内年齢を高精度に推定するＡＩモデルを構築。何らかの病気がある患者３万４１９７人の胸部Ｘ線画像を使い、このモデルが病気の予測に利用できるかを検証した。

　その結果、体内年齢が実年齢より高いほど、高血圧や高尿酸血症、慢性閉塞（へいそく）性肺疾患、心房細動、肝硬変などの慢性疾患発症との関連が強かった。一方、肺炎や虫垂炎などの急性疾患とは関連していなかった。

　研究グループは「一般的に行われている胸部Ｘ線検査を、余命予測や慢性疾患の重症度予測などに応用できる可能性がある」と期待を示している。（メディカルトリビューン＝時事）