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スマホ操作でけんしょう炎―原因とケア

 2024年04月08日 10:00

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 スマートフォンの長時間の操作が原因で、指や手首の痛みを訴える人がいるという。「スマホ指」とも言われ、悪化するとけんしょう炎に進行するケースもある。発症のメカニズムやセルフケアを、埼玉医科大学病院(埼玉県毛呂山町)整形外科・脊椎外科の上原浩介講師に聞いた。

▽親指の付け根に痛み

 スマホ指は片手でスマホを持ち、その手の親指を上下左右にスクロールして操作する人がなりやすい傾向がある。親指を無理に伸ばす動きは、特に指への負担が大きい。こうした動きを日常的に繰り返していると、親指の付け根の関節に負担がかかり痛みが生じる。「悪化すると指や手首に炎症が起こるけんしょう炎に進行するリスクがあります」

 軽症のうちはスマホを使用したときに軽い痛みを感じる程度だが、次第に痛みが強くなり、安静にしていてもずきずきと痛むようになる。進行すると、指を曲げた時に関節が引っ掛かる感じがする、動かなくなるなど日常生活への支障が大きいため、悪化する前に整形外科を受診する。

 「注意が必要なのが携帯ゲームのやり過ぎです。ゲームに夢中になると痛みを感じづらく、気が付けば指や手首に障害を起こしていたという人は少なくありません」

▽適度な休息を

 更年期の女性では、親指や手首を酷使していなくても発症する場合がある。原因はよく分かっていないが、女性ホルモンのバランスの乱れがけんしょう炎と関係すると考えられている。糖尿病の人や甲状腺機能が低い人もけんしょう炎を起こしやすい。また、高齢者はスマホの長時間利用によって軟骨に負担がかかりやすいため、手の変形性関節症にも注意が必要だ。

 手首の親指側が痛むドケルバン病や、指のけんしょう炎の一つであるばね指に進行すると自然には治らないこともある。重症の場合は、患部にステロイド薬を注射すると改善するケースが多い。「日ごろからの予防を心掛けた生活が大切です。スマホは両手で持ち、音声入力も活用して、適度に手を休ませる習慣をつけましょう」

 スマホ指の予防や改善にはストレッチも有効だという。痛みがある指を手の甲の側に反らせ、痛いと感じたところで10秒間キープする。20回を1セットとして1日1~3セット、ゆっくり指を動かす。親指は反らすと逆効果で、休息が基本だ。

 「痛みが軽いうちに整形外科を受診し、正しいセルフケアの方法を教えてもらうと良いでしょう」と上原講師は助言している。(メディカルトリビューン=時事)

   ◇   ◇

 埼玉医科大学病院の所在地 〒350―0495 埼玉県毛呂山町毛呂本郷38 電話049(276)1111(代)

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