６人に１人引っ掛かる―詐欺の実験

 2024年04月09日 10:00

　政府機関を名乗って高齢者から個人情報を聞き出す実験をしたところ、およそ６人に１人が情報を教えるなどしたことが分かったと、米国の研究グループが発表した。

　研究グループは２０２１年１０～１２月、シカゴ在住の高齢者６４４人（平均年齢８５．６歳）を対象に、架空の政府機関に成り済ました電話をかけ、社会保険番号などの個人情報の提供を求める実験を実施。特殊詐欺への脆弱（ぜいじゃく）性を検討した。

　その結果、４４１人は電話に出ず、かけ直しもしなかった。電話に出たりかけ直しをしたりしたが、相手を疑い個人情報を提供しなかった人は９７人、１０６人は疑うことなく、電話での質問に答えたり個人情報を提供したりした。

　研究グループは認知機能障害がない人も実験対象に含まれていたことを踏まえ、「多くの高齢者が詐欺被害に遭いやすいことが示された」と注意を促している。（メディカルトリビューン＝時事）