【寄稿】肺炎球菌ワクチンの予防効果を解明
世界初、血清型別にPPV23の効果を検証
長崎大学熱帯医学研究所臨床感染症学准教授 森本浩之輔
2017年02月09日 07:05
〔編集部から〕高齢者の肺炎球菌性肺炎に対する23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン(PPV23、商品名ニューモバックス)の予防効果が、長崎大学熱帯医学研究所臨床感染症学准教授の森本浩之輔氏らが実施した研究(Lancet Infect Dis 2017年1月23日オンライン版)によって詳細に明らかにされた。肺炎球菌は肺炎の原因菌として最も多く、90種類以上の血清型があるが、PPV23はこのうち特に感染症を起こしやすい23種類の血清型をターゲットにしている。今回の研究は、その予防効果を血清型別に解明した世界で初めての研究として注目されており、同誌の付随論評ではドイツ・Jena University HospitalのMathias W. Pletz氏らは「高齢者への適切な肺炎球菌ワクチンの在り方を議論する上で重要なデータ」として紹介している。「患者への説明にも役立つ」という同研究のポイントについて、森本氏に解説してもらった。