アトピー性皮膚炎は心血管疾患の危険因子
【海外短報】
2018年06月24日 06:00
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© Getty Images ※画像はイメージです
アトピー性皮膚炎(AD)は心血管疾患(CVD)のリスク上昇と関係し、ADの重症度および活動性が高い患者は特にそのリスクが高いと、英国などのグループがBMJ(2018; 361: k1786)に発表した。
同グループは、1998~2015年の英国のClinical Practice Research DatalinkおよびHospital Episode Statisticsの電子診療録とOffice for National Statisticsのデータを用いて、成人AD患者はCVDリスクが高いか否か、またそのリスクはADの重症度や活動性によって異なるかどうかを検討した。
対象は、AD患者38万7,439例と年齢、性、受診クリニック、暦年をマッチさせた非ADの対照152万8,477例。全体の登録時の年齢中央値は43歳、女性が66%であった。主要評価項目は心血管転帰〔心筋梗塞(MI)、不安定狭心症、心不全(HF)、心房細動(AF)、脳卒中の発症と心血管死〕とした。
追跡期間の中央値は5.1年だった。Cox回帰分析の結果、AD群は対照群に比べて非致死的心血管転帰のリスクが10~20%高かった。
心血管転帰リスクはADの重症度と強い関連を示し、重症患者は対照群に比べて脳卒中リスクが20%、MI、不安定狭心症、AF、心血管死のリスクが40~50%、HFリスクが70%高かった。また、追跡期間の50%超が活動性であった患者も心血管転帰のリスクが高かった。
(編集部)
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