術後パルボシクリブ、術前療法後の高リスク乳がんのiDFSを改善せず:PENELOPE-B
2020年10月12日 19:06
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米・Pfizer社およびドイツの研究団体GBG(German Breast Group)は10月9日、CDK4/6阻害薬パルボシクリブについて、術前化学療法後の再発リスクが高いホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性早期乳がんに対して、術後療法としての同薬の有効性および安全性を検証した第Ⅲ相プラセボ対照ランダム化比較試験PENELOPE-Bの結果から、主要評価項目である浸潤性疾患のない生存期間(iDFS)の有意な改善は認められなかったと発表した。試験の詳細データは今後の学会で発表される予定であるという。
なお、今年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)では、同じくパルボシクリブについて、HR陽性HER2陰性の早期乳がんの術後療法における標準内分泌療法への同薬の上乗せ効果を検証した第Ⅲ相試験PALLASの結果から、iDFSの有意な改善が認められなかったことが発表された。
一方、ESMO Virtual Congress 2020では、もう1つのCDK4/6阻害薬であるアベマシクリブについて、HR陽性HER2陰性で高リスクの早期乳がんの術後療法において、標準内分泌療法へのアベマシクリブの上乗せ投与により、無浸潤疾患生存率(IDFS)の有意な改善が認められたことが報告されている(関連記事「術後アベマシクリブが高リスク早期乳がんで奏効」)