nirsevimab、RSウイルス感染症高リスク乳児に良好な安全性・忍容性
第Ⅱ/Ⅲ相MEDLEY
2021年07月08日 16:18
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アストラゼネカは7月8日までに、抗RSウイルス抗体nirsevimabの有効性および安全性を現在の標準薬である抗RSウイルス抗体パリビズマブ(商品名シナジス)を対照に検討する第Ⅱ/Ⅲ相二重盲検ランダム化比較試験MEDLEYにおいて、高リスクの乳児に対する良好な安全性および忍容性を示したと発表した。
nirsevimabは同社とサノフィにより開発中の半減期延長 (YTE)技術を用いた長時間作用型抗体で、単回投与で乳幼児に直接免疫を与える。現在の標準薬であるパリビズマブの予防期間は1カ月であるため、1度のRSウイルス流行シーズンに5回の投与が必要だが、nirsevimabにより流行シーズン全体を通したRSウイルスの感染予防効果が期待されている。
同試験は、慢性肺疾患 (CLD)に罹患した乳児、先天性心疾患(CHD)に罹患した乳児、早産児のいずれか1つ以上に該当する乳児に対するnirsevimabの安全性を評価。試験治療下で発現した有害事象および重篤な有害事象の発現率は両治療薬群で同等だった。
なお、nirsevimabは中国・国家食品医薬品監督管理局医薬品審査評価センター、米食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)から画期的治療薬に指定されており、第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験MELODYにおいて、RSウイルスに起因する下気道感染症 (LRTI)の発症頻度がプラセボ群よりも有意に低かったことが報告されている。