違法薬物、生産増の恐れ ウクライナ侵攻継続で―国連〔時事メディカル〕
2022年06月27日 16:25
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【ウィーンAFP時事】国連薬物犯罪事務所(UNODC)は27日、年次報告書を公表し、ロシアのウクライナ侵攻により、違法な薬物の生産が急増する可能性があるとの見通しを示した。
ウクライナで閉鎖された(覚せい剤の一種)アンフェタミンの工場の数は2019年に17棟だったのが、20年には79棟と急増し、世界最多だった。しかしUNODCは、ウクライナの戦争が続く中、同国の合成薬物の製造能力は拡大する可能性があるとしている。UNODCの専門家は、紛争地域では「取り締まって工場を停止させる警察もいない」と述べた。
報告書によると、紛争地域は合成薬物を製造する上で「(引きつける)磁石」として機能することが、中東や東南アジアの例から推測できるという。報告書は「消費者の多い市場の近くに紛争地域が存在する場合、この影響は色濃くなる可能性がある」と指摘した。
(2022年6月27日 時事メディカル)