腫瘍崩壊症候群への尿酸分解酵素薬は有効か?
ラスブリカーゼ再投与の日本人データを発表
2022年11月08日 15:39
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腫瘍崩壊症候群(TLS)は、悪性腫瘍の治療において腫瘍が急速に死滅(崩壊)する際に発症する。症状として体内の尿酸増加、カリウム、カルシウム、リンなどの電解質のバランスが崩れ、血液の酸性化、腎臓における尿の産生減少などの異常が通常治療開始後12~72時間以内に現れる。がん化学療法用尿酸分解酵素製剤ラスブリカーゼは、TLS発症の高リスク例に予防投与が推奨されているものの、再投与についての報告はほとんどない。富山大学病院血液内科講師の和田暁法氏は、同院でラスブリカーゼを再投与した患者について後ろ向きに解析し、第84回日本血液学会(10月14~16日)で発表。アナフィラキシーを発症した例では、同薬の奏効が期待できない可能性を報告した。