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アトピー患者は若年性特発性関節炎高リスク

2023年01月30日 16:32

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 アトピー性皮膚炎は幾つかの自己免疫疾患との関連性が報告されている。フィンランド・Oulu UniversityのPaula L. Keskitalo氏らは、小児および青少年アトピー性皮膚炎患者では一般集団と比べ若年性特発性関節炎(JIA)のリスクが高いとJ Am Acad Dermatol2023年1月3日オンライン版)に報告した。

特に乾癬性JIAとの関連が顕著

 Keskitalo氏らは、フィンランドの医療ケアレジストリFinnish Care Register for Health Careから1987〜2018年に同国の医療施設において18歳未満でアトピー性皮膚炎と診断され、少なくとも2回の受診記録が存在する患者を抽出。症例と年齢と性をマッチングさせた対照群をフィンランド人口登録センターのデータベースから同定。両群でJIAの有病率を比較し、年齢と性を調整したロジスティック回帰モデルを用いて関連性を評価した。

 解析対象はアトピー性皮膚炎群70万584例、対照群27万783人(うち499人はアトピー性皮膚炎と1回記録されていたため除外)であった。JIAの有病率は対照群よりアトピー性皮膚炎群で高かった(0.4% vs. 0.7%、P<0.001、調整オッズ比1.58、95%CI 1.41〜1.77)。JIA発症時の年齢も、アトピー性皮膚炎群では有意に高かった(7.63±5.35歳 vs. 8.28±5.18歳)。

 さらに、皮膚科医により診断されたアトピー性皮膚炎患者を対象としたサブ解析を実施。JIAの病型別に検討したところ、特にアトピー性皮膚炎と乾癬性JIAに顕著な関連が示された(調整オッズ比2.75、95%CI 1.64〜4.60)。

皮膚疾患とは直接関係がない症状も積極的に問診を

 これらの結果について、Keskitalo氏らは「医療登録データベースに基づく研究には、診断名や診断コードの妥当性について検証できないという限界がある。しかし、例えば関節リウマチ診断においてフィンランド医療ケアレジストリデータの妥当性は高いことが示されており、事実、今回の研究において乾癬の併発診断を受けた乾癬性JIA患者は皆無だった点は注目に値する。アトピー性皮膚炎患者ではJIAの診断が遅くなる傾向にあるようだ。そのため、皮膚疾患とは直接関係がない症状についても積極的に問診することが重要だ」と述べている。

編集部

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