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進行胆管がんにfutibatinibが有望

FGFR2遺伝子融合/再構成陽性例が対象の国際第Ⅱ相試験

2023年02月01日 17:09

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イメージ画像 © Adobe Stock ※画像はイメージです

 線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)2遺伝子変異は肝内胆管がんの治療標的として有望視されている。米・Stanford University School of MedicineのLipika Goyal氏らは、FGFR2遺伝子融合/再構成陽性の切除不能進行胆管がんに対する次世代共有結合型FGFR1~4阻害薬futibatinibの有効性と安全性を評価する国際第Ⅱ相非盲検単群試験FOENIX-CCA2を実施。有望な結果が得られたことをN Engl J Med2023; 388: 228-239)に報告した。

抵抗性変異の克服を視野に入れた次世代FGFR阻害薬

 肝内胆管がんはまれだが予後不良で、5年全生存(OS)は8%未満、進行がんでのOS中央値は約1年である。約14%にFGFR2遺伝子異常が認められ、ATP競合型FGFR阻害薬ペミガチニブとinfigratinibが進行がんに対し米食品医薬品局(FDA)の承認を受けている。ただし、両剤のFGFR結合は可逆的で抵抗性変異を生じるという課題があった。

 futibatinibはFGFR1~4に対し不可逆的に共有結合し、前臨床研究では後天的抵抗性変異に対する活性、第Ⅰ相試験などではFGFR遺伝子変異陽性腫瘍に対する抗腫瘍活性が示されている。

 FOENIX-CCA2試験の対象は、FGFR阻害薬を除く1ライン以上の全身療法後に進行したFGFR2遺伝子融合/再構成陽性の切除不能または転移を有する進行肝内胆管がん患者。2018年4月~19年11月に13カ国47施設で103例を登録し、年齢中央値は58歳(四分位範囲22~79歳)、女性は56%で、全身状態(PS)は0が47%、1が53%だった。人種は白人が50%、アジア系が29%で、日本人は14%だった。53%は2ライン以上の全身治療歴があり、遺伝子異常は融合が78%、再構成が22%だった。

 futibatinib 20mgを1日1回経口投与し、21日を1サイクルとして病勢進行や許容できない有害事象などが発現するまで継続した。主要評価項目は奏効率で、副次評価項目は奏効期間、無増悪生存(PFS)、OS、安全性、患者報告アウトカムなどだった。

奏効率は42%、PFSは9.0カ月でOSは21.7カ月

 検討の結果、103例中43例(42%、95%CI 32~52%)で奏効が得られ、奏効期間中央値は9.7カ月だった。追跡期間中央値17.1カ月(治療期間中央値9.1カ月)の時点におけるPFS中央値は9.0カ月(95%CI 6.9~13.1カ月)、OS中央値は21.7カ月(同29カ月~未到達)だった。

 探索的サブグループ解析では、複数の前治療歴がある患者、高齢者、TP53遺伝子変異を有する患者など、全てのサブグループで奏効が認められた。

 主なグレード3以上の治療関連有害事象は、高リン酸血症が30%、AST上昇が7%、口内炎が6%、倦怠感が6%だった。2%がfutibatinibの投与中止に至ったが、治療に関連する死亡はなかった。患者のQOLは試験期間を通じ良好に維持された。

 以上の結果から、Goyal氏らは「前治療歴があるFGFR2遺伝子融合/再構成陽性の肝内胆管がん患者において、次世代共有結合型FGFR阻害薬futibatinib投与の有効性と安全性が示された」と結論している。

(小路浩史)

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