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「食べながらワイン」で糖尿病リスク低下

UK Biobank・飲酒者31万例超の解析結果

2023年02月03日 16:36

591名の医師が参考になったと回答 

イメージ画像 © Adobe Stock ※画像はイメージです

 米・Tulane UniversityのHao Ma氏らは、UK Biobankに登録された2型糖尿病未発症の飲酒者31万例超を対象に、飲酒のタイミングと2型糖尿病の発症リスクとの関連を検討。食事以外のタイミングで飲酒する習慣を持つ者と比べ、食事中に飲酒する習慣を持つ者で2型糖尿病の発症リスクが有意に低く、特にワインでその傾向が顕著だったとAm J Clin Nutr2022; 116: 1507-1514)に発表した。

食事中の飲酒で12%リスク低下

 解析対象は、UK Biobank登録者のうち、ベースラインで2型糖尿病を発症していない現飲酒者31万2,388例。日常的な飲酒タイミングの内訳は、「食事中に飲酒」が13万7,172例(43.9%)、「食事以外のタイミングで飲酒」が6万3,038例(20.2%)、「飲酒タイミング不定」が11万2,178例(35.9%)だった。

 中央値で10.9年の追跡期間中に8,598例が2型糖尿病を発症した。

 解析には、年齢、性、人種/民族、貧困指標の1つであるTownsend剝奪指標、BMI、喫煙状況、身体活動度、食事スコア、高血圧、高コレステロール血症、糖尿病の家族歴を調整したCox比例ハザードモデルを使用。解析の結果、2型糖尿病の発症リスクは「食事以外のタイミングで飲酒」群と比べて「飲酒タイミング不定」群〔調整後ハザード比(aHR)0.92、95%CI 0.87~0.97〕および「食事中に飲酒」群(同0.88、0.83~0.93)で有意に低かった(全て傾向のP<0.001)。

 これらの結果は、飲酒量および飲酒頻度を調整後の解析でも不変だった(全て傾向のP<0.001)。

食事中に中等量のワインを

 飲酒量と2型糖尿病リスクとの間にはU字型の関連が認められ(二次傾向のP=0.005)、飲酒量の最低群(50g/週未満)と比べて中等量群(100g/週以上、200g/週未満)で2型糖尿病リスクが最も低かった(HR 0.89、95%CI 0.83~0.96)。

 また、飲酒量と2型糖尿病リスクとの関連は、飲酒タイミングにより有意に変化することが示された(交互作用のP=0.017)。「食事以外のタイミングで飲酒」群および「飲酒タイミング不定」群では飲酒量と2型糖尿病リスクとの関連が認められなかったが(傾向性のP=0.32および0.77)、「食事中に飲酒」群では飲酒量の増加とともに2型糖尿病リスクが有意に低下した(同0.002)。

 アルコールの種類別に見ると、食事中の飲酒による2型糖尿病リスクの低下傾向はワインでは認められたが(交互作用のP=0.015)、ビール(同0.212)および蒸留酒(同0.646)では認められなかった。

 以上の結果から、Ma氏らは「健康な現飲酒者において、食事中に中等量のアルコール(特にワイン)を摂取すると、食事以外のタイミングで飲酒した場合と比べて2型糖尿病のリスクが有意に低下することが示された」と結論。「今回の知見は、飲酒量と2型糖尿病リスクとの関連を検討する際に、飲酒のタイミングを考慮することの重要性を強く示すものだ」と付言している。

太田敦子

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