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lebrikizumabが中等症~重症アトピーに有効

第Ⅲ相国際共同試験2件の結果

2023年03月24日 17:28

397名の医師が参考になったと回答 

イメージ画像 © Adobe Stock ※画像はイメージです

 中等症~重症のアトピー性皮膚炎治療において抗体医薬やJAK阻害薬の有効性が報告されているが、十分な治療効果が得られないケースもある。米・George Washington UniversityのJonathan I. Silverberg氏らは、中等症~重症のアトピー性皮膚炎患者を対象にインターロイキン(IL)-13を標的とする新規モノクローナル抗体lebrikizumabの有効性と安全性を検討する2件の第Ⅲ相国際共同二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験(RCT)を実施。16週間の治療により33~43%の患者で皮膚病変が消失またはほぼ消失したことをN Engl J Med2023; 388: 1080-1091)に報告した。

IGA、EASIスコアの改善、安全性などを評価

 試験は同一デザインで2件(ADvocate1、ADvocate2)実施。中等症~重症の成人(18歳以上)および青年(12~18歳、体重40kg以上)のアトピー性皮膚炎患者をlebrikizumab群とプラセボ群に2:1でランダムに割り付け、隔週で皮下投与した。lebrikizumabの用量は、ベースラインおよび2週後に500mgの負荷投与、以降は250mgとした。治療期間は導入期間が16週、維持期間が36週の計52週である。

 今回の報告は16週時の結果で、主要評価項目は16週時の医師による全般的評価(IGA)スコア0(皮膚病変の消失)または1(ほぼ消失)かつベースラインから2ポイント以上の改善。副次評価項目は、16週時の湿疹面積・重症度指数(EASI)スコアのベースラインから75%以上の改善(EASI75)、瘙痒(NRS)、瘙痒による睡眠障害(Sleep-Loss Scale)、皮膚疾患がQOLに及ぼす影響(DLQI)、安全性などとした。

症状が有意に改善、安全性は良好

 ADvocate1では424例をランダム化。平均年齢±標準偏差(SD)は35.5±17.3歳、青年患者は13.0%、女性は50.5%だった。主要評価項目の達成は、lebrikizumab群(283例)が43.1%、プラセボ群(141例)が12.7%で、EASI75達成はそれぞれ58.8%、16.2%だった(いずれもP<0.001)。

 プラセボ群に比べ、lebrikizumab群では投与開始から4週間以内に主要評価項目の達成(群間差9.6、95%CI 5.7~13.6、P<0.001)、瘙痒の改善(同19.3、13.7~25.0、P<0.001)が得られた患者の割合が有意に多かった。

 ADvocate2では427例をランダム化。平均年齢±SDは36.2±16.9歳、青年患者は11.0%、女性は49.4%だった。主要評価項目の達成は、lebrikizumab群(281例)が33.2%、プラセボ群(146例)が10.8%で、EASI75達成はそれぞれ52.1%、18.1%だった(いずれもP<0.001)。

 プラセボ群に比べ、lebrikizumab群では投与開始から4週間以内に主要評価項目の達成(群間差8.1、95%CI 4.1~12.0、P=0.002)、瘙痒の改善(同13.2、7.7~18.7、P<0.001)が得られた患者の割合が有意に多かった。

 lebrikizumabの安全性プロファイルは先行試験と同様だった。有害事象(AE)は、ADvocate1ではlebrikizumab群の45.7%、プラセボ群の51.8%に、ADvocate2ではlebrikizumab群の53.4%、プラセボ群の66.2%に発現した。AEのほとんどは軽度~中等度で、AEによる投与中止は少なかった。lebrikizumab群で多く見られたAEは結膜炎(ADvocate1、2でそれぞれ7.4%、7.5%)、鼻咽頭炎(同3.9%、5.0%)、頭痛(同3.2%、5.0%)だった。

 Silverberg氏らは「2件の第Ⅲ相RCTから、lebrikizumabによる16週間の治療は中等症~重症アトピー性皮膚炎の症状改善に有効であることが示された」と結論。「長期有効性の評価には、維持期間の結果や延長試験ADjoinの結果が待たれる」と付言している。

(小路浩史)

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