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角質溶解保湿シャンプーが頭皮乾癬に有効

仏・二重盲検RCTで検討

2023年03月31日 14:35

360名の医師が参考になったと回答 

イメージ画像 © Adobe Stock ※画像はイメージです

 フランス・L'Oréal Research and Innovation社のPhilippe Massiot氏らは軽症~中等症の頭部尋常性乾癬(頭皮乾癬)の成人患者67例を対象に、サリチル酸2%、尿素5%、グリセリン1%を含み角質溶解作用および保湿作用を有する乾癬性頭皮用シャンプー(商品名PSOlution、同国・Laboratoires Vichy International社)の有効性を単一施設二重盲検ランダム化比較試験(RCT)で検討。その結果、角質溶解保湿シャンプーは対照の基剤(vehicle)と比べて乾癬の重症度を有意に軽減し、QOL改善効果も認められたとJ Cosmet Dermatol2023年3月21日オンライン版)に発表した。

治療中止後30日使用で重症度と刺激性が有意に改善

 乾癬は、世界人口の2%が罹患している慢性炎症性皮膚疾患で、患者の8割が頭皮乾癬を呈するとされQOLの低下が問題となっている。同試験では、軽症~中等症の成人頭皮乾癬患者67例(平均年齢43.2歳、女性65.7%、軽症58.2%、中等症41.8%)を登録し、角質溶解保湿シャンプーを使用する群とvehicleを使用する群にランダムに割り付けた。対象は乾癬の治療を中止した後、1~15日目は毎日、その後は30日目まで週3回の頻度で割り付けられた製品を使用した。

 評価項目は、頭皮乾癬の重症度指数(Psoriasis Scalp Severity Index;PSSI)、主治医による重症度の総合評価(Investigator Global Assessment;IGA)スコア、頭髪・頭皮のべたつき(皮脂分泌)、刺激性、SCALPDEX質問票で評価したQOL、患者満足度、忍容性などとした。

 解析の結果、対照群と比べてシャンプー群では使用1、8、15、30日目の洗浄直後におけるPSSIの使用前からの低下幅(改善度)が有意に大きかった(順に対照群22.8%、5.5%、19.6%、13.0% vs. シャンプー群39.0%、37.2%、63.0%、69.0%、P<0.05)。また、シャンプー群では同時点の洗浄直後における刺激性スコアが有意に低下し(26.8%、27.3%、39.9%、33.8%、P<0.001)、30日目のIGAスコアの改善度が対照群と比べて有意に大きかった(シャンプー群47.5% vs. 対照群6.9%、P<0.001)。

高い患者満足度と忍容性

 さらに、シャンプー群では患者満足度が高く(シャンプー群90.9% vs. 対照群82.3%)、全例がシャンプーの使用を継続したいと回答した。

 一方、頭髪・頭皮のべたつきは21日目まで両群で連続的に改善し、QOLも両群で改善が見られたが、いずれも有意な群間差はなかった。これらの結果について、Massiot氏らは「シャンプーの基剤であるvehicleにも保湿作用を有するグリセリンが含まれており、頭皮の乾燥が改善されたことが対照群のQOL改善につながった可能性がある」と考察している。

 同氏らは「角質溶解保湿シャンプーは軽症~中等症頭皮乾癬を改善し、忍容性および患者満足度が高かった」と結論。「頭皮乾癬の治療では、ステロイド関連副作用の軽減または予防のために休薬期間が必要となり、その間に乾癬が再発する可能性がある」と指摘し、薬物治療が奏効した状態をシャンプーで維持することの重要性を強調している。

(太田敦子)

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