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月経痛の重症度、QOLとの関連は?

日本人女性対象調査

2023年04月04日 17:39

379名の医師が参考になったと回答 

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 女性の多くが悩まされる月経痛。学業や就業の効率が低下するなど、健康問題の1つに挙げられる。広島大学大学院スポーツリハビリテーション学の水田良実氏、教授の浦邉幸夫氏らは、日本人女性を対象にオンライン調査を実施。月経痛の重症度とQOLの関連を検討し、結果をPLoS One2023; 18: e0283130)に報告した。

月経痛を抱える495例で検討

 月経痛を訴える女性は多く、日本では80%に上るという。学校や会社を休まざるをえないほど強い痛みを抱える場合もあり、諸外国では月経痛とQOLに関する調査が行われている一方、日本では月経がタブー視される傾向にあり、両者の関係は明らかでないと水田氏ら。

 そこで同氏らは、2021年5月17日〜7月7日にGoogle Forumsを用いて匿名によるオンライン調査を実施。調査への協力が得られた大学、高校、企業を通じ、月経痛を訴えやすい15〜29歳の若年女性(生徒および社員)1,000例のうち、月経痛ありと答えた471例(平均年齢22歳)を対象に、月経痛の重症度別〔Numerical Rating Scale(NRS)スコア1〜3点=軽度群(156例)、4〜7点=中等度群(249例)、8〜10点=重度群(66例)に分類〕にQOLとの関連を検討した。婦人科系疾患または精神疾患の既往例および治療例などは除外した。

 QOLの評価は世界保健機関(WHO)のQOL-26項目〔身体的(7項目)、心理的(6項目)、社会的(3項目)、環境的(8項目)に加え、QOL全体を問う2項目で構成〕を使用。過去2週間に「どのように感じたか」「どのくらい満足したか」「どのくらいの頻度で経験したか」ついて、「全くない」「少しだけ」「多少は」「かなり」「非常に」の5段階で評価してもらった。また、各群の平均年齢、平均体重、平均身長、BMI平均値、平均初経年齢は同等だったが、平均月経痛期間は軽度群が1.0日、中等度群が1.6日、重度群が2.0日と、重症度が上がるに伴い日数は有意に多かった(P<0.001)。

重症度上がるほどQOL低下

 月経痛の重症度別に平均QOLスコアを比較した結果、軽度群が93.9点〔標準偏差(SD)=16.4点〕、中等度群が89.3点(SD=15.7点)、重度群が83.4点(SD=16.8点)と、重症度が高い群ほどQOLが有意に低かった(P<0.001)。

 また、QOLの内訳による検討では、身体的、心理的、環境的の各QOLスコアで有意差が認められ(順にP<0.001、P<0.001、P=0.019)、平均スコアは重症度群で最小だった。一方、社会的QOLスコアには有意差はなかった。

 以上から、水田氏らは「日本在住の若年女性において、月経痛の重症度が高まるほどQOLが低下する確固たるエビデンスが示された」と結論。「今後、月経痛の症状を管理する新たな治療法の確立などの基本的な情報として活用したい」とコメントしている。

編集部

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