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妊娠高血圧症候群が高齢期認知機能と関連か

2023年04月06日 16:05

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イメージ画像 © Adobe Stock ※画像はイメージです

 妊娠高血圧症候群(HDP)の既往がある女性では妊娠中の血圧が正常であった女性と比べて高齢期の認知機能低下リスクが高く、中でも妊娠高血圧腎症(PE)や子癇の既往がある女性で同リスクが特に高いことが、米国の住民コホート研究の参加者データの解析で示された。米・Wake Forest University School of Medicine のMichelle M. Mielke氏らがNeurology2023年3月1日オンライン版)で報告した。

Mayo Clinic Study of Aging参加者2,239例を解析

 これまで、妊娠高血圧(GH)や高血圧合併妊娠(CH)、PEなどのHDPの既往が若年期および中年期の認知機能に関連していたとする研究結果が報告されているが、高齢期の認知機能への影響については不明だった。そこで、Mielke氏らは今回、住民ベースのコホート研究であるMayo Clinic Study of Agingの参加女性2,239例〔年齢(中央値)73歳〕を対象に、HDPの既往と高齢期の認知機能との関連について検討した。

 対象者は平均約5年間の追跡期間中、15カ月ごとに包括的認知機能、処理速度、実行機能/注意、言語、視空間認知などの認知機能の検査を受けた。対象者のうち1,854例(82.8%)に1回以上の妊娠歴があり、残る385例(17.2%)は未経産であった。また、妊娠歴がある女性のうち1,607例は妊娠中の血圧は正常であったが、100例はGHまたはCH、147例はPEまたは子癇の既往を有していた。

包括的認知機能などのZスコアが低下

 対象者の年齢、教育歴を調整した線形混合効果モデルを用いて解析した結果、HDPの既往がある女性では、妊娠中の血圧が正常であった女性と比べて包括的認知機能および実行機能/注意のZスコアの低下度が大きかった。HDPの病型ごとの解析では、PEまたは子癇の既往がある女性においてのみ包括的認知機能(β=-0.04、P<0.001)、言語(β=-0.03、P=0.001)、注意(β=-0.04、P<0.001)のZスコアの低下度が大きいことが示された。

 血管危険因子、BMI、喫煙、アポリポ蛋白E遺伝子を調整した解析でも結果は変わらなかった。

 この研究結果に関する米国神経学会(AAN)のプレスリリースで、Mielke氏は「今後さらなる研究でこの結果を検証する必要はあるが、今回の解析結果は妊娠中およびその後の血圧管理が高齢期の脳の健康にとって重要な因子であることを示したものだ」と述べている。

(岬りり子)

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