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ノンアル増えるとアルコールは買わない⁉

英・RCTから

2023年04月14日 05:05

310名の医師が参考になったと回答 

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 ノンアルコール飲料の種類が増える中、オンラインショップにおけるアルコール飲料とノンアルコール飲料の品ぞろえの比率を変えることで、アルコール飲料の購買意欲は変化するのかー。英・University of CambridgeのNatasha Clarke氏らは、両飲料の比率とアルコール飲料の購買意欲との関連を検討するランダム化比較試験(RCT)を実施。結果をPLoS Med2023; 20: e1004193)に報告した。

対象は18歳以上の習慣的飲酒者約600人

 アルコールの過剰摂取に対する介入法の1つとして、ノンアルコール飲料の提供が有効とされる。Clarke氏らによると、提供される飲料に占めるノンアルコール飲料の比率が増えるとアルコール飲料の消費量が減るとの報告があるが(BMC Public Health 2020; 20: 526)、わずか8種類しか選択肢がないなど非現実的であるという。

 そこで同氏らは、現実的な環境下で多数の選択肢に占めるノンアルコール飲料の割合が増えることで、アルコール飲料の購買意欲および購買量にどのような影響を及ぼすかを検証するRCTを実施した。対象は、2021年3〜7月に英国のイングランドまたはウェールズに在住する18歳(飲酒可能年齢)以上で、オンラインショップ(Tesco.com)を通じアルコール飲料を習慣的(週1回以上)に20ポンド(約3,300円)以上購入している607人(平均年齢38歳、女性60%)。

 購入可能な飲料はビール、炭酸飲料、ノンアルコールビール・ワイン、ソフトドリンクなど計64種類を用意。対象を、オンライン購入可能な飲料の比率で、①ノンアルコール飲料25%/アルコール飲料75%(ノンアル25%群、207人)、②同50%/50%(ノンアル50%群、194人)、③同75%/25%(ノンアル75%群、206人)―の3群にランダムに割り付けた。なお、英国における純アルコール量1単位は10mL(8g)相当である。

ノンアル75%群は25%群よりアルコール購買意欲が有意に低い

 まず、主要評価項目とした純アルコール単位の限界効果推定値は、ノンアル25%群が29.40単位、ノンアル50%群が25.52単位、ノンアル75%群が17.46単位だった。すなわち、ノンアル75%群ではノンアル50%群より8.1単位(32%)、ノンアル25%群より11.9単位(41%)の購買意欲低下に相当した。

 アルコール飲料の購買意欲を示さなかった各群の割合を比較した結果、ノンアル75%群の13.1%に対し、ノンアル25%群は3.4%にとどまり有意に少なかった(P<0.001)。ノンアル50%群とノンアル75%群、ノンアル50%群とノンアル25%群との間に有意差は示されなかった。

 次に、全ての購入可能飲料に占めるアルコール飲料の選択割合を比較した。その結果、ノンアル75%群はノンアル50%群およびノンアル25%ル群に比べ有意に少なかった(全てP<0.001)が、ノンアル50%群とノンアル25%群に有意差は認められなかった。

 以上から、Clarke氏らは「購入可能なノンアルコール飲料の割合が25%、50%、75%と大幅に増えるに従い、アルコール飲料に対する購買意欲および実際の購入量が顕著に低下することが示唆された」と結論し、リアルワールドにおける検証の必要性を訴えている。

松浦庸夫

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