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PD-1阻害経路刺激薬、リウマチに有効性示す

新薬候補peresolimabの第Ⅱ相試験

2023年05月30日 11:31

155名の医師が参考になったと回答 

イメージ画像 © Adobe Stock ※画像はイメージです

 米・イーライリリーのJay Tuttle氏らは、内因性のプログラム細胞死蛋白質(PD)-1阻害経路を刺激するよう設計したヒト化IgG1モノクローナル抗体peresolimabの中等度~重度の関節リウマチ(RA)患者への有効性と安全性を検討する第Ⅱa相二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験を実施。プラセボと比べ、4週に1回のperesolimab 700mg投与で12週時の疾患活動性が有意に改善したことなどをN Engl J Med2023; 388: 1853-1862)に報告した。

3群にランダム化しDAS28-CRPの変化を比較

 PD-1は主に活性化T細胞に発現しているため、peresolimabとPD-1の結合が他の免疫細胞に影響を及ぼすことはほぼなく、この経路の刺激は自己免疫疾患または自己炎症性疾患に対する新たな治療法となる可能性がある。

 今回、中等度~重度の成人RAで従来型抗リウマチ薬、生物学的製剤、分子標的型抗リウマチ薬に対する反応が不十分/消失したまたは許容できない副作用が発現した患者98例を、peresolimab 700mg群(49例)、同300mg群(25例)、プラセボ群(24例)に2:1:1でランダムに割り付け、4週に1回静脈内投与した。

 主要評価項目は、C反応性蛋白(CRP)に基づく28関節疾患活動性スコア(DAS28-CRP)の12週時におけるベースラインからの変化量とし、主な比較はperesolimab 700mg群とプラセボ群の間で行った。副次評価項目は、12週時の米国リウマチ学会(ACR)分類基準20%以上の改善(ACR20)、50%以上の改善(ACR50)、70%以上の改善(ACR70)を達成した患者の割合などとした。

DAS28-CRPが有意に改善、安全性に差はなし

 12週時におけるDAS28-CRPのベースラインからの変化量は、プラセボ群と比べperesolimab 700mg群で有意に大きかった〔最小二乗平均変化±標準誤差(SE)-0.99±0.26 vs. -2.09±0.18、変化の差-1.09(95%CI -1.73~0.46、P<0.001)〕。生物学的製剤および分子標的型抗リウマチ薬の使用歴で層別化したサブグループ解析でも結果は同様だった。

 副次評価項目の解析において、ACR20の達成率はプラセボ群と比べperesolimab 700mg群で良好だったが(42% vs. 71%、最小二乗平均変化の差29.8、95%CI 6.3~53.2)、ACR50(同21% vs. 39%、17.9、-3.3~39.2)とACR70(同17% vs. 20%、3.7、-15.0~22.4)には差がなかった。

 有害事象の発現率は、peresolimab 700mg群で29%、同300mg群で32%、プラセボ群で38%と同等だった。peresolimab投与に関連する重篤な有害事象は認められなかった。

 以上から、Tuttle氏らは「RA患者を対象とした第Ⅱa相試験でperesolimabの有効性が示された。これらの結果は、PD-1受容体の刺激がRA治療において有効である可能性を示している」と結論している。

(小路浩史)

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