陰茎を大きくできるか―国際学会の見解
2023年06月14日 17:45
403名の医師が参考になったと回答
© Adobe Stock ※画像はイメージです
「陰茎を大きくしたい」は、多くの(一部の?)男性にとって切実な願いだろう。インターネット上には、そうした心の弱みに付け込むような情報があふれ、人々を混乱させている。国際性機能学会(ISSM)は6月7日、正しい理解の一助となるよう公式サイト上で見解を発表した。
非外科的な方法に陰茎増大の科学的根拠ない
ISSMによると、インターネット上には陰茎増大効果をうたうさまざまな製品、薬剤、サプリメント、手技に関する情報があふれている。シリコン、軟組織フィルター、脂肪の注入、陰茎牽引装置、ジェルキングと呼ばれる陰茎トレーニングなどだ。
しかし、ISSMは「非外科的な方法に、陰茎を増大させる科学的根拠はない」と指摘。外科的手技による陰茎増大術には、陰茎に損傷を来す合併症のリスクが伴うことを理解すべきだと呼びかける。
美容目的での陰茎増大術は推奨できない
具体的には、シリコンなどの注入は陰茎の湾曲や変形、損傷などにつながる可能性がある。皮膚移植による陰茎増大術にも、勃起不全(ED)、瘢痕、陰茎の変形、感染症などのリスクが存在する。
陰茎プロステーシス挿入術はEDの治療法としては有益だが、陰茎増大を目的として行う場合は、ED、陰茎の湾曲、感染、瘢痕などのリスクを考慮しなければならない。
さらに、懸垂靱帯を切断することで陰茎を長く見せる手法もあるが、勃起力が不安定となるばかりか、靱帯が自然修復された結果、術前より陰茎が短く見えることもあるという。
こうしたことから、ISSMは「陰茎増大術の適応は先天的に陰茎に問題のある人やマイクロペニスの症例、陰茎に重大な損傷を受けた人に限定すべき。美容目的では推奨できない」と主張する。
定期的な運動や心理カウンセリングがよい選択肢
ISSMは、陰茎の大きさに満足していない男性の多くが実は正常なサイズの陰茎を持っていると指摘。平均的な陰茎の長さは勃起時で4.7~6.3インチ(12~16cm)だという。
その上で、陰茎増大を希望する人に勧められる選択肢として、①性的パートナーと話し合う、②陰茎を実際より短く見せている可能性のある体脂肪を減らすため定期的に運動する、③心理的カウンセリングを受ける―ことを挙げている。
(編集部)