IL-6の善玉化に成功、強い抗腫瘍作用
鍵はサイトカイン抑制因子SOCS3
2023年08月25日 11:58
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インターロイキン(IL)-6は新型コロナウイルス感染時にサイトカインストームを引き起こすサイトカインとして注目されたが、腫瘍内にも多く存在している。腫瘍内のIL-6は細胞増殖や血管新生を促して腫瘍を成長させると同時に、免疫抑制に働く細胞を誘引して抗腫瘍免疫反応を抑制することから、いわば"悪玉"のサイトカインと捉えられる。一方、免疫反応において主役を担うT細胞に対するIL-6の作用は十分に解明されていない。慶應義塾大学微生物学・免疫学教室の三瀬節子氏らは、T細胞においてサイトカイン抑制因子であるSOCS3を欠損させると、本来腫瘍を成長させるIL-6が、逆に強い抗腫瘍作用を誘導する因子になることを発見し、Cell Rep(2023年8月8日オンライン版)に報告した。