米メルクの新規腎細胞がん薬、第Ⅲ相で主要評価項目のPFS延長
2023年09月11日 17:33
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MSDは9月8日、進行腎細胞がん(RCC)に対する経口低酸素誘導因子2アルファ(HIF-2α)阻害薬WELIREG(一般名belzutifan)の有効性と安全性を検討した第Ⅲ相試験LITESPARK-005において、主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)の延長が認められたと発表した。WELIREGは米メルクが米食品医薬品局(FDA)から承認を取得しており、同国で初めて承認されたHIF-2α阻害薬。日本では現在開発中。
同試験は、免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1/L1抗体)と血管内皮細胞増殖因子チロシンキナーゼ阻害薬による治療後に進行したRCC患者を対象に行われたもので、mTOR阻害薬エベロリムスと有効性および安全性を比較検討するのが目的。解析の結果、エベロリムス群と比べWELIREG群では、主要評価項目の1つであるPFSおよび主な副次評価項目である客観的奏効率(ORR)の有意な改善が認められた。もう1つの主要評価項目である全生存期間(OS)については改善傾向は認められたが、有意差はなかった。
WELIREGは第Ⅱ相試験の結果に基づき、米国、英国、カナダ、その他数カ国で、フォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病に伴うRCC、中枢神経系血管芽腫、膵神経内分泌腫瘍の成人患者の治療薬として承認されている。